2014-08-09

中小零細企業から大企業転職して2年 大企業への驚きを隠せないよ

いわゆる零細企業から大企業転職して2年が経過しようとしている。

この節目に記録を残しておく。

職種支店経理責任者

これまでいろいろあったが、今では十分に仕事をこなすことができるようになり、不安はなくなった。

思い返せば、入社した頃は驚くことばかりだった。

最初から大企業就職した人にとっては当然のことかもしれないけど。

以下、思いつくままに挙げていく。

あくまで僕のケースなので、「それ、お前の会社だけだよ」というツッコミもあり。

1.働かない社員がいる

中小零細企業では考えられなかった。

余剰人員など存在しないし、雇う余裕は全くない。全員が必死に働いていた。

ところが、大企業では何人も働かない社員がいる。

影では「あいつはダメなやつだ」と言われていても、退職に追い込むようなことはしない。

心の中ではバカにしながらも、仲間として認識されている。信じられなかった。

「とっととクビにしろよ」と思うけれど、そうはいかないらしい。

2.問題社員退職に追い込まない

前項で、「働かない社員退職に追い込まない」と書いた。

中小零細企業では、必死で働いて成果を出す社員しか雇う余裕がないため、

必死で働いていても、成果が出ない場合は、退職に追い込むということを行っていた。

退職に追い込む」というのは、詳しく言うと、成果が出ない社員を別室に呼んで、

時間にわたり実例を挙げ、成果が上がっていないこと、能力不足なことをわからせ、

最終的に「で、どうするの?」と迫り、退職届を提出させることだ。

解雇だと主張されると面倒なため、「辞めろ」とは言わず

あくまで「自らの意思で」「自主的に」「一身上の都合により」退職させる。

3.問題社員解雇するときも慎重

大企業では、相当な問題を起こした社員解雇する方向で検討するときも非常に慎重だ。

裁判になったり、労働基準監督署相談されたりしても問題のないように、

事前に弁護士等の専門家相談し、社内調整し、十分に検討した手順を経て、ようやく解雇する。

常識で考えて「そんなことをしたら解雇されていてもおかしくないだろう」と思える社員であってもだ。

僕が勤務していた中小零細企業では前述の通り「退職に追い込む」。決断も実行も非常に早い。

4.書類にハンコがたくさん

大企業では1枚の書類にたくさんハンコが必要だ。経理伝票にもハンコがたくさん。

ハンコがたくさん押してあっても内容をしっかり見てるのは作成者だけだということもよくある。

5.規則管理文書がたくさん

「~規則」「~基準」やらのの文書がたくさんある。様式もたくさんある。

中小零細企業では明文化された規則ほとんどなかった。

今は何か業務を行う場合に明確な基準があって安心できる。

管理文書やデータシステムで共有化され、常に最新の情報更新されており、

誰でも参照できるのも便利だ。

「ですから、社内の~基準に書いてあるでしょう。システムの○○にあるので確認してください」と根拠を示すことができる。

中小零細企業では、情報が一部の社員しか閲覧できなくなっていたり、

個々に管理していて、把握できないことが多々あった。

6.残業分の給与が全額支給

時間残業しても全額支給される。100時間超えてもだ。

こんな会社が世の中にあるとは思わなかった。残業パラダイスだ。

中小零細企業では、残業代はほんの少しだけ支給されていた。

これは、ゼロだと支払っていないことになるので、少しだけ適当支給していたらしい。

7.所定労働時間が8時間ではない

所定労働時間というのは8時間普通だと思っていたのだけれど、

1日7時間30分しか働かなくても良いらしい。

所定労働時間が少ないということは、給与の1時間あたりの単価が高くなるということだ。

中小零細では365日÷7日×40時間÷12月という法定ギリギリの所定労働時間で割ることが多い。

日記を書くのが疲れてきたけれど、まだ続ける。

8.掃除がない

今の会社では始業時と終業時の掃除がない。

毎月建物管理会社に清掃料を払っており、業者がやってくれる。

以前までの職場では自分掃除してきたので驚いた。

残業していると、業者がきて、ゴミ箱の中のゴミを捨ててくれる。なんだか申し訳ない。

新卒入社した社員は、これが当たり前だと思っているらしい。

9.それでも社員労働環境に不満

そうなんだよね。中小零細企業に勤めていた僕としては、

非常に良い環境で、甘やかされているように思えるくらいなんだけれど、

新卒入社して働いている人からすれば当たり前なわけで、不満を言っている。

一度転職して他社を見てきたら良いと思う。同じような環境かもしれないけれども。

10.トップが頻繁に代わってもあまり影響がない

中小零細企業ではトップがすべてと言っても良かった。

企業トップ企業の実力はトップの実力。権限が大きく、すべてはトップ次第。

一方、今の大企業では2年の任期で次々とトップ変わっており、僕が入社してからも1度変わったが、

まり影響がない。役職トップからトップ仕事をしている感じだ。

中小零細企業のように、「俺の会社は俺のものから俺がすべて俺の人生のもの」みたいな雰囲気は全く無い。

11.経費を払ってもらえる(自費で払えよと思うものもあり)

以前は、例えば参考図書代はすべて自腹。経理や法律の専門書は高いんだよね。

払ってもらえるものもあったけれど、その場合用途目的を詳細に聞かれた。

でも、今は「業務に必要な本を買いました」と領収書を出すだけで、何も聞かれず会社から払ってもらえる。

驚いたのは、社員同士で、勤務中に喫茶店に行ったり、夜に居酒屋に行ったり、食事をしたりして

払った代金が、社内交際費会議費といった項目で払ってもらえること。

話すことが仕事の話ばかりとはいえ、夜に一緒に酒飲んだだけの代金が払ってもらえるのはすごいと思った。

以前は、払ってもらうという発想がなかったし、払ってもらえるわけがなかった。

12.営業があまり営業をしない

仕事をとってこなくても、同じ財閥系の企業から仕事を受注できる。

財閥ってすごいんだな、と思った。

結局、財閥ひとつの国みたいになっていて

財閥内で経済を回しているだけで、会社は存続でき、社員は食べていけるなんて、今の会社に入るまでは知らなかった。

13.経理でも勉強はあまりしなくても良い

経理という職種は常に勉強に追われていて大変だと思っていた。

中小零細企業では、自分で解決し結果には責任を持たなければならないことが多く、

仕事が終わっても必死で専門書を自費で買って調べたりして、夜は問題解決のために思い悩むことも多々あった。

でも、今は、わからなくても「社内または社外の知っている誰か」を探して聞けば良い。

ハンコがたくさん押してあるし、決定プロセスに多くの人が介在しているので自分一人の責任ということはない。

僕の家にある多くの専門書は必要がなくなってしまった。

今の会社社員は、担当していた業務以外のことは簡単なことでも知らないことがあって驚くことがある。

14.基本給と賞与が高い

以前勤めていた中小零細企業では、総額では給与は低くなくても、基本給を低く抑えて、職種手当等の手当をつけて調整するかたちで、

賞与支給額が基本給×○ヶ月となっていたため、賞与が少なかった。

現在大企業では、手当分が少なく、基本給が多い。賞与支給されたときは多くて驚いた。

15.給与退職金計算根拠やその他昇給基準等が明確

給与に関する事項が明確なため、だいたいの生涯年収計算できてしまう。

16.それでも多額の利益を計上

たくさんお金を使ってるはずなのにね。リストラしたら相当すごい利益になるだろう。

まだありそうだけれども、ここら辺でやめておこう。

まり、今は全体的にぬるい環境だってことだ。

これらのことを知っていたら新卒とき必死就職活動していたわ。

だれも教えてくれなかったんだ。

でも、環境が良くなって給与も大幅に増えたけれど、

昔のほうが必死でがんばって働いていて充実していた気がする。

今度はぬるくない大企業転職する方向で考えている。

後悔しそうだな。

大企業に勤める人がこれを読んだら、こいつはバカだと思うんだろうね。

今36歳なんだけれども、気づくのが遅すぎたわ。まあ、今からがんばるよ。

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    だからみんな大企業に入りたがるんだろうね。 中小だと人間扱いされないところもあるからなぁ。

  • http://anond.hatelabo.jp/20140809022524

    自分は中小ではあるがいわゆるホワイトってところだけど、同じく本当に驚いた。 それまでがひどいブラック(訴訟もガンガン起こされてる)だったから。 おそらく元増田までのレベル...