いわゆる零細企業から大企業へ転職して2年が経過しようとしている。
この節目に記録を残しておく。
これまでいろいろあったが、今では十分に仕事をこなすことができるようになり、不安はなくなった。
思い返せば、入社した頃は驚くことばかりだった。
最初から大企業に就職した人にとっては当然のことかもしれないけど。
以下、思いつくままに挙げていく。
あくまで僕のケースなので、「それ、お前の会社だけだよ」というツッコミもあり。
1.働かない社員がいる
中小零細企業では考えられなかった。
余剰人員など存在しないし、雇う余裕は全くない。全員が必死に働いていた。
影では「あいつはダメなやつだ」と言われていても、退職に追い込むようなことはしない。
心の中ではバカにしながらも、仲間として認識されている。信じられなかった。
「とっととクビにしろよ」と思うけれど、そうはいかないらしい。
中小零細企業では、必死で働いて成果を出す社員しか雇う余裕がないため、
必死で働いていても、成果が出ない場合は、退職に追い込むということを行っていた。
「退職に追い込む」というのは、詳しく言うと、成果が出ない社員を別室に呼んで、
長時間にわたり実例を挙げ、成果が上がっていないこと、能力不足なことをわからせ、
最終的に「で、どうするの?」と迫り、退職届を提出させることだ。
あくまで「自らの意思で」「自主的に」「一身上の都合により」退職させる。
大企業では、相当な問題を起こした社員を解雇する方向で検討するときも非常に慎重だ。
裁判になったり、労働基準監督署に相談されたりしても問題のないように、
事前に弁護士等の専門家に相談し、社内調整し、十分に検討した手順を経て、ようやく解雇する。
常識で考えて「そんなことをしたら解雇されていてもおかしくないだろう」と思える社員であってもだ。
僕が勤務していた中小零細企業では前述の通り「退職に追い込む」。決断も実行も非常に早い。
4.書類にハンコがたくさん
大企業では1枚の書類にたくさんハンコが必要だ。経理伝票にもハンコがたくさん。
ハンコがたくさん押してあっても内容をしっかり見てるのは作成者だけだということもよくある。
「~規則」「~基準」やらのの文書がたくさんある。様式もたくさんある。
管理文書やデータがシステムで共有化され、常に最新の情報に更新されており、
誰でも参照できるのも便利だ。
「ですから、社内の~基準に書いてあるでしょう。システムの○○にあるので確認してください」と根拠を示すことができる。
中小零細企業では、情報が一部の社員しか閲覧できなくなっていたり、
個々に管理していて、把握できないことが多々あった。
こんな会社が世の中にあるとは思わなかった。残業パラダイスだ。
これは、ゼロだと支払っていないことになるので、少しだけ適当に支給していたらしい。
所定労働時間というのは8時間が普通だと思っていたのだけれど、
所定労働時間が少ないということは、給与の1時間あたりの単価が高くなるということだ。
中小零細では365日÷7日×40時間÷12月という法定ギリギリの所定労働時間で割ることが多い。
日記を書くのが疲れてきたけれど、まだ続ける。
8.掃除がない
毎月建物の管理会社に清掃料を払っており、業者がやってくれる。
残業していると、業者がきて、ゴミ箱の中のゴミを捨ててくれる。なんだか申し訳ない。
そうなんだよね。中小零細企業に勤めていた僕としては、
非常に良い環境で、甘やかされているように思えるくらいなんだけれど、
新卒で入社して働いている人からすれば当たり前なわけで、不満を言っている。
一度転職して他社を見てきたら良いと思う。同じような環境かもしれないけれども。
企業=トップ。企業の実力はトップの実力。権限が大きく、すべてはトップ次第。
一方、今の大企業では2年の任期で次々とトップ変わっており、僕が入社してからも1度変わったが、
あまり影響がない。役職がトップだからトップの仕事をしている感じだ。
中小零細企業のように、「俺の会社は俺のものだから俺がすべて俺の人生そのもの」みたいな雰囲気は全く無い。
11.経費を払ってもらえる(自費で払えよと思うものもあり)
以前は、例えば参考図書代はすべて自腹。経理や法律の専門書は高いんだよね。
払ってもらえるものもあったけれど、その場合は用途や目的を詳細に聞かれた。
でも、今は「業務に必要な本を買いました」と領収書を出すだけで、何も聞かれず会社から払ってもらえる。
驚いたのは、社員同士で、勤務中に喫茶店に行ったり、夜に居酒屋に行ったり、食事をしたりして
払った代金が、社内交際費や会議費といった項目で払ってもらえること。
話すことが仕事の話ばかりとはいえ、夜に一緒に酒飲んだだけの代金が払ってもらえるのはすごいと思った。
以前は、払ってもらうという発想がなかったし、払ってもらえるわけがなかった。
12.営業があまり営業をしない
仕事をとってこなくても、同じ財閥系の企業から仕事を受注できる。
財閥ってすごいんだな、と思った。
財閥内で経済を回しているだけで、会社は存続でき、社員は食べていけるなんて、今の会社に入るまでは知らなかった。
中小零細企業では、自分で解決し結果には責任を持たなければならないことが多く、
仕事が終わっても必死で専門書を自費で買って調べたりして、夜は問題解決のために思い悩むことも多々あった。
でも、今は、わからなくても「社内または社外の知っている誰か」を探して聞けば良い。
ハンコがたくさん押してあるし、決定プロセスに多くの人が介在しているので自分一人の責任ということはない。
今の会社の社員は、担当していた業務以外のことは簡単なことでも知らないことがあって驚くことがある。
14.基本給と賞与が高い
以前勤めていた中小零細企業では、総額では給与は低くなくても、基本給を低く抑えて、職種手当等の手当をつけて調整するかたちで、
賞与支給額が基本給×○ヶ月となっていたため、賞与が少なかった。
現在の大企業では、手当分が少なく、基本給が多い。賞与が支給されたときは多くて驚いた。
給与に関する事項が明確なため、だいたいの生涯年収が計算できてしまう。
16.それでも多額の利益を計上
たくさんお金を使ってるはずなのにね。リストラしたら相当すごい利益になるだろう。
まだありそうだけれども、ここら辺でやめておこう。
これらのことを知っていたら新卒のときに必死で就職活動していたわ。
だれも教えてくれなかったんだ。
昔のほうが必死でがんばって働いていて充実していた気がする。
後悔しそうだな。
大企業に勤める人がこれを読んだら、こいつはバカだと思うんだろうね。
今36歳なんだけれども、気づくのが遅すぎたわ。まあ、今からがんばるよ。
だからみんな大企業に入りたがるんだろうね。 中小だと人間扱いされないところもあるからなぁ。
自分は中小ではあるがいわゆるホワイトってところだけど、同じく本当に驚いた。 それまでがひどいブラック(訴訟もガンガン起こされてる)だったから。 おそらく元増田までのレベル...