2006年に渡米してAppleで働くことになったのだが、
2006年10月ごろに発売前のiPhoneを見せてもらったとき感じた感想を書いてみる。
(この感想は2006年10月のものであり、最近編集したものではない。iPhone発売は2007年1月。)
2014年現在でもこの感想は全然変わっていない。 iPhoneはPDAじゃないから仕方ないのかもしれないが、 PDAとして使えるマシンが欲しい。
- iPoneはPIMとしては論外である。
- 自分がPalmを使ってたときと比較すると問題点がはっきりする。 Palm上では以下のような使い方をしていた。
- がんがんメモをとる (POBoxを使う)
- インターネットと同期しつつ数千のメモを管理する
- メモ間のリンクを張る (PalmWikiを使う)
- 大量のメモをインクリメンタル検索する (Q-Pocketを使う)
- 階層的にフィルタリングしながらズーミング検索 (LensBarを使う)
- 漢字テキストもローマ字で検索 (Migemo機能)
iPhoneはこのようなPIM機能を全く持っていない。 Palmでは以下のような機能をよく使っていた。
- Backボタン (前の画面にいつでも戻れる)
- カーソルキーの活用
候補選択とかズーミングとかPalmはもともとPDAとして良いデザインを持っていたのだが、 進化にともなっていろいろ便利な拡張が行なわれてきた。 特に、以下のような拡張は PIM的には便利であった。
- 小型キーボードの採用
- カーソルキーの採用
文字キーボードもカーソルキーも存在しない状況では 編集しながらメールを書くことすら簡単ではない。
つまり、格好にこだわってクールな端末を設計したのは良いのだが、 PDA的な使いやすさが最悪である。WindowsMobileより悪いといえるだろう。 はっきり言えば、 PIMなど利用したこともない人間がはじめて PDAを設計したように見え、既存の知見が全く反映されていないようである。
大方のユーザはPDA的な使い方などしないから、 メールだのメモだのが 使いにくくても売上げ的には何の問題も無いかもしれないが、 まるで使えないPDAを開発するのではAppleに来た意味が無いであろう。 曖昧検索やズーミング技術を使うとiTunesの検索が非常に簡単になることは 確かであるが、同様の手法をiPhoneに搭載することは全く可能と思われる。 なんとかならないものか。
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