奥村智司
2014年8月8日20時56分
米国の中・高校生用の歴史教科書の中で、広島、長崎への原爆投下で亡くなった犠牲者数を、両市の「公式見解」(広島約14万人、長崎約7万人)に沿って記しているものが極めて少ないことが日本の研究者の調査で分かった。犠牲者数を掲載しないか、しても多くは公式見解の半分ほど。被爆者をむしばむ放射線の長期的な健康への影響にふれた教科書もほとんどないという。
明治大学の藤田怜史助教(米国現代史)が、1949~2010年に米国で出版された教科書58冊を調べた。研究団体が「広域採択歴史教科書」と発表したものや、版を重ねてシェアが大きいとされる教科書を選んだ。
広島市は76年の国連への文書で、45年末までの犠牲者数を約14万人と推定。長崎市は50年の市原爆資料保存委の報告に基づき、国連への文書で約7万人とした。
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朝日新聞社会部
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