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2012.04.29
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 レア・アース(希土類)の共同開発をすることで日本とカザフスタンの両政府が5月に正式合意すると朝日新聞が報じている。

 そのレア・アースとは「ジスプロシウム」。原子炉の制御用材料、光磁気ディスクの材料、あるいは永久磁石の中で最も強力だと言われるネオジム磁石の添加物などとして使われているようだ。開発の基本計画には住友商事と石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC)、そしてカザフスタンの資源開発公社カザトムプロムが調印するという。

 住友商事は2010年、ウラン鉱残渣を活用したレア・アース回収事業を目的としてジョイント・ベンチャーのSARECOを設立、東芝とカザトムプロムもジョイント・ベンチャーをスタートさせることで合意。さらに、日本原子力発電や丸紅もこの分野に参入する姿勢を見せている。そういえば、東電福島第一原発が過酷事故を引き起こした後も原発推進を叫び続けていた経団連の米倉弘昌は「住友化学」の会長だった。

 住友商事とカザトムプロムは以前から緊密な関係にある。カザフスタンは世界最大のウラン産出国で、2006年から日本にも供給している。このビジネスを取り仕切っているAPPAK社の株主はカザトムプロム(65%)、住友商事(25%)、関西電力(10%)であり、融資を担当しているのが国際協力銀行。2009年になると、住友商事、関西電力、原子燃料工業はカザトムプロムと関電の原発向けにウラン処理を行うことで調印している。

 原子燃料工業とは1972年に住友電気と古河電気の原子燃料事業を統合して設立した会社だが、2009年5月にウェスチングハウスが両者から株式を譲り受け、52%を保有する筆頭株主になっている。

 言うまでもなく、ウェスチングハウスはアメリカの総合電機メーカーだが、加圧水型原子炉を開発、製造してきたことで有名だ。そのウェスチングハウスの株式を購入すると2006年2月に東芝が発表、10月に取り引きは成立している。持ち株比率は東芝が77%、ショーが20%、そしてIHIが3%。ただ、翌年の8月には東芝が手持ち株式の1割、つまり全体の7.7%をカザトムプロムに譲渡している。原子燃料工業は東芝の系列下に入ったということになる。

 2006年は日本とカザフスタンが「核」で結びついた年でもある。当時の首相、小泉純一郎はこの年の8月にカザフスタンを訪問し、「原子力平和的利用協力の促進に関する覚書」に調印している。小泉が動いたということは、背後にアメリカの支配層が存在していることを示唆している。

 現在、カザフスタンやアゼルバイジャンはアメリカやイスラエルの強い影響下にある。アメリカの「友好国」ではありがちな話だが、人権を無視した事実上の独裁国家だということも知られている。選挙に不正があると指摘されているが、「西側」は寛容な姿勢を見せている。そのカザフスタンのためにロビー活動を展開しているひとりがビル・クリントン元米大統領だ。

 劣悪な労働環境などに対する抗議が昨年12月にもあったのだが、活動に参加した人びとを治安当局は銃撃し、現地のメディアによると10名、独立系ジャーナリストのマーク・エイムスによると約70名が殺されている。負傷者は数十名から数百名、勿論、多くの人が逮捕された。ヒューマン・ライツ・ウォッチやアムネスティー・インターナショナルといった「西側メディア御用達」の人権団体もカザフスタン政府を批判、拷問が行われているという訴えもある。

 カザフスタンにはイスラエルも食い込んでいる影響なのか、ネオコン(アメリカの親イスラエル派)で中心的な役割を果たしてきたリチャード・パールもこの国で石油ビジネスを展開しようとしている。「レア・アースが手に入るようになってよかった」とは行かない現実がある。





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最終更新日  2012.04.29 22:21:29




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