パラメトリック
僕は、はじめてコンピュータに触った小学生のころ、いわゆる「お絵かきソフト」に熱中していました。といっても、その熱中の対象はマウスを使って絵を描くことではなく、ソフトの機能についていた「虹色が出せるペン」や「クリックするたび違う形の木が生成されるツール」でした。こうした〈プログラムにより作られた独特のかたち〉になんともいえない魅力を感じていたのです。
コードによって淡々と生成された絵は、人が作りだした造形とはまた別の、静かな美しさを発散していました。
そして近年、一部のデザイナーやアーティストの間で、自分で直接プログラムを書いて作品をつくる試みが増えています。彼らはいわゆる写実的なCGには興味を示さず、プログラムだからこそ実現できる、あたらしい形を作ることを目指しているのです。
アート向けプログラム環境である processing や openFrameworks の登場が象徴的ですが、十数年前より唱えられていた「デザインやアートとプログラミング環境との融和」が、ようやく現実のものとなってきました。
そしてこの本は、ひとりの絵描きが、コードによる造形とイラストを同時に考えてつくるとどうなるか、という試みなのです。
とてもシンプルな一冊ですが、簡単なプログラムで驚くほど複雑な図形が生成される興奮が、はたして伝わるでしょうか? ディスプレイでは再現できない、紙の上でしか感じられないほど繊細な線によって表現された〈あたらしい質感〉を、ぜひお手にとってご覧いただければと思います。
仕様 | B5 / 28p(表紙2色・本文モノクロ) |
頒価 | ¥700(予定) |
著者 | robamoto( twitter ) |
入手方法 |
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⇒ 一部の方むけの補足
この本では、繊細な線の表現を追求するため、全ページにFMスクリーンによる印刷 を採用しています。こちらも、興味のある方は実際にその効果をご確認いただければと思います。
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