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精神科医の本音日記

2013-01-30

愛は病気を治せるか?

f:id:satochan8:20130130111848j:image:medium:left愛があれば、病気を乗り越えられる」と信じで実践した人を知っている。一人は26歳精神科看護師♀で、若い頃より躁鬱で入退院を繰り返していた25歳♂の6回目の入院中に恋をして、退院後結婚し、「彼の治療に専念するために」、と彼女は仕事を止めた。で、彼は酒を止め、板前修業を始め、昔の彼を知る人は皆この奇跡を信じたのであったが、6年後に夫婦げんかがこじれて別居となるや、彼の生活は以前に戻り、その後はまた入退院を繰り返すようになってしまった。
 もう一人は25歳自閉症♀で、アル中で入退院を繰り返してした55歳♂の5回目の入院中に恋をして、退院後結婚した。彼女の治療法は単純で、「四六時中一緒に居て、飲まないよう見張っている」というものであったが、これが効を奏し断酒は続いた。彼らは何時も一緒に居て幸せそうに見えたが、5年後に近くの酒自販機で酒を買っている彼を見つけた人が出て、その頃よりはお互いが口論するようになり、7年後ついに別居。彼はまた酒浸りの生活に戻ってしまった。
愛の実践が病気の予後に絶大な効果のあったケース2例を紹介したが、それでもこの奇跡は5年という期間限定だ、というのが僕の結論であります。

mamedimamedi 2013/01/31 18:08 恋愛の高揚感は概ね3年しかもたない、と聞いたことがあります。5年間も続いたんですね、素晴らしい。もしかしたら、病気を乗り越えようとする共有目的意識があったから、長続きしたのかも知れませんね。でも、目的が達成された時点で恋愛も終わった。そして、妻ではないパートナー(酒)への依存が復活。昔の悪女だが情の深い女に溺れていくというストーリー。結局、女に依存するか、酒に依存するかの違いのように、わたしには思えます。

suzukiyuutosuzukiyuuto 2013/02/01 06:41 う〜〜ん、愛は病気を治すかどうかよりも、この2ケースの5年とか7年とかで別れるというのが、ちょっと早いのでは?と思ってしまいました・・・もっと仲良くやっている夫婦も多いですから(病気があっても)。私の印象では情動や知性の点で少し未熟な方だと長く続かず別れてしまうように思います(最近の日本は離婚率が高くなっていますが、未熟な人が多いから)。人生とは、忍耐と奉仕に尽きると思うし、人間関係は大変なのが当たり前だと思った方が良いと思います。

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