レビュー
【本日発売】Kaveriの低価格モデル「A8-7600」、「A6-7400K」をチェック
(2014/8/8 00:00)
AMDは7月31日(米国時間)、Kaveriをベースとした第4世代AシリーズAPUの下位モデル「A8-7600」「A6-7400K」を発表した。今回は、発売前に同APUを借用する機会を得たので、既存のA10シリーズの下位モデルとして登場する新製品の性能をベンチマークテストでチェックしてみた。
Kaveri世代初のA8/A6シリーズ
新たに発表されたA8-7600とA6-7400Kは、いずれも第4世代APU「Kaveri」をベースにした製品で、CPUコアにSteamroller、GPUコアにGCN(Graphics Core Next)を採用している。製造プロセスは28nmで、TDPは65Wと45Wのデュアルスペック。
デュアルスペックとなっているTDPについては、先に発売されたA10-7800同様、デフォルトは65Wで動作し、Configurable TDP機能によって45Wでの動作を実現する。A8-7600とA6-7400Kとも、TDP 45Wでの動作に最適化されている点についても、A10-7800と同様だ。
A8-7600は、4基のCPUコアと6基のGPUコア、計10基の演算ユニットを備えるAPU。L2キャッシュは4MBで、内蔵メモリコントローラはDDR3-2133に対応。CPUコアの動作クロックは、定格3.1GHz、Turbo CORE時最大3.8GHz。6コア(Stream Processor数 384基)のGPU「Radeon R7」は最大720MHzで動作する。
A6-7400Kは、2基のCPUコアと4基のGPUコア、計6基の演算ユニットを備えるAPU。L2キャッシュは1MBで、内蔵メモリコントローラはDDR3-1866に対応。CPUコアの動作クロックは、定格3.5GHz、Turbo CORE時最大3.9GHz。4コア(Stream Processor数 256基)のGPU「Radeon R5」は最大756MHzで動作する。なお、型番にKのサフィックスが付与されていることからわかるように、A6-7400KはCPU倍率の上方変更が可能な倍率ロックフリーモデルである。
| A6-7400K | A8-7600 | A10-7700K | A10-7800 | A10-7850K | |
|---|---|---|---|---|---|
| 製造プロセス | 28nm | ||||
| 開発コードネーム | Kaveri | ||||
| コア数 | 2 | 4 | |||
| CPUクロック
(定格時) |
3.5GHz | 3.1GHz | 3.4GHz | 3.5GHz | 3.7GHz |
| CPUクロック
(Turbo CORE時/最大) |
3.9GHz | 3.8GHz | 3.9GHz | 4.0GHz | |
| GPUコア | Radeon R5 | Radeon R7 | |||
| Streaming Processor
(Radeonコア) |
256基
(64基×4CU) |
384基
(64基×6CU) |
512基
(64基×8CU) |
||
| GPUコアクロック
(最大) |
756MHz | 720MHz | |||
| TDP | 65W/45W | 65W/45W | 95W | 65W/45W | 95W |
| 倍率アンロック | ○ | × | ○ | × | ○ |
| Configurable TDP最適化 | ○ | × | ○ | × | |
| 対応ソケット | FM2+ | ||||
テスト機材
今回、A8-7600とA6-7400Kを試すにあたって、比較対象としてデスクトップ版Kaveriの最上位モデル「A10-7850K」を用意した。各APUを、ASUS製のAMD A88Xチップセット搭載マザーボード「A88X-PRO」に搭載し、それぞれのAPUがサポートする最大クロックのメモリと組み合わせて、ベンチマークテストを実行した。
| CPU | A6-7400K | A8-7600 | A10-7850K |
|---|---|---|---|
| マザーボード | ASUS A88X-PRO | ||
| メモリ | DDR3-1866 8GB×2
(10-12-12-31、1.65V) |
DDR3-2133 8GB×2
(10-12-12-31、1.65V) |
|
| ストレージ | Crucial m4 128GB | ||
| ビデオカード | APU内蔵Radeon R5 | APU内蔵Radeon R7 | |
| 電源 | Antec HCP-1200(1,200W 80PLUS GOLD) | ||
| グラフィックスドライバ | Catalyst 14.7 Beta | ||
| OS | Windows 8.1 Pro Update 64bit | ||
ベンチマーク結果
それでは、ベンチマークテストの結果紹介に移りたい。実施したベンチマークテストは、PCMark8(グラフ1)、3DMark(グラフ2、3、4、5)、3DMark11(グラフ6)、MHFベンチマーク【大討伐】(グラフ7)、ファイナルファンタジーXIV: 新生エオルゼア ベンチマーク キャラクター編(グラフ8)。
PCMark8のスコアは、シリーズ最上位モデルであるA10-7850Kのスコアに対し、A8-7600がが93〜97%、A6-7400Kは79〜93%のスコアを記録した。特に、A8-7600に関しては、A10-7850Kとの差が1割未満にまで肉薄しており、下位モデルという位置付けでありながら、その性能は優秀だ。
Configurable TDPによりTDPを65Wから45Wに引き下げた場合のスコア低下は、A8-7600の場合は3〜4%程度、A6-7400Kは2%前後となっている。PCMark8で実行される処理の場合、TDPを引き下げてもパフォーマンスへの影響は少ないようだ。
3D系のベンチマークテストの結果では、A10-7850Kのスコアを基準とした場合、A8-7600のスコアはA10-7850Kのおおよそ8〜9割、A6-7400Kは6〜7割程度となった。CPUコアとGPUコアがA10-7850Kの半分しかない上、メモリクロックでも一段劣るA6-7400Kは流石に大きな差がついてしまっているが、A8-7600はかなり健闘していると言って良いだろう。
A8-7600、A6-7400Kとも、TDP 45W時と65W時のスコア比較において、3DMarkの総合スコアやGPU性能を示す「Graphics Score」の差が少ない一方、CPU性能を示す「Physics Score」では、10〜20%程度の差がついているのが印象的だ。Configurable TDPによりTDPを引き下げる際、CPUのパフォーマンスを削り、GPUのパフォーマンスを維持しようという制御の方針が見て取れる。CPU中心の処理とGPU中心の処理では、TDP変更によるパフォーマンス変化に違いがある点は覚えておきたい。
最後に、ベンチマークテスト実行時の消費電力の測定結果を紹介する。消費電力の測定は、サンワサプライのワットチェッカー「TAP-TST5」を用い、各テスト実行中の最大消費電力を測定している。
アイドル時の消費電力については、A8-7600とA6-7400Kが、TDPの設定にかかわらず34Wで完全に横並びとなった。A10-7850Kはそこから4W高い38Wとなっており、そこまで大きな差では無いが、若干アイドル時消費電力が抑制されている傾向があるようだ。
ベンチマーク実行中の消費電力を見てみると、A6-7400KがTDP設定の違いによる消費電力の差がはっきりと見えない一方、A8-7600についてはTDP 45W設定時の消費電力が90Wを超えない程度に抑制されていることが見て取れる。
A6-7400Kについては、TDP引き下げによる消費電力の減少がほぼ見られないという結果になったわけだが、実行したベンチマークのスコアも65W時と45W時でほぼ横並びとなっているため、妥当な結果であると言える。また、A6-7400K 65W時の消費電力自体、A8-7600のTDP 45W設定時の消費電力を下回っていることから、消費電力を測定したテストではパフォーマンスや消費電力を削減する必要性が無かったものとみることもできる。
低価格で導入できる最新APU
今回の新モデル追加により、これまで15,000円以上の上級モデルしかラインナップされていなかったKaveriベースの第4世代AシリーズAPUに、1万円前後で購入できるモデルが加わることになる。特に、パフォーマンスも優秀なA8-7600は、導入コストを抑えたいと考えていたユーザーにとっての本命となるモデルと言えよう。
A8-7600とA6-7400Kの価格的なメリットを活かすなら、マザーボードも廉価なものを選択したくなるところだが、両APUはTDP 45W最適化モデルである。せっかくなら、Configurable TDPの利用できるマザーボードを選びたい。
URL
- 日本AMDのホームページ
- http://www.amd.co.jp/
2014年8月8日
- 【本日公開】映画『STAND BY ME ドラえもん』制作の舞台裏[2014/08/08]
- 連載山田祥平のRe:config.sys見えないボタンは押されない[2014/08/08]
- 連載後藤弘茂のWeekly海外ニュースSamsungが第3世代のV-NANDチップとして3-bit(TLC)版を発表[2014/08/08]
- AMD、2015年までに日本のGPU市場でシェア50%超を目指す[2014/08/08]
- VAIOブランドのPCが店頭展示を開始[2014/08/08]
- レビュー【本日発売】Kaveriの低価格モデル「A8-7600」、「A6-7400K」をチェック[2014/08/08]
- ZOTAC、3万円台からのWindows 8.1 with Bing搭載の超小型PC[2014/08/08]
- ドスパラ、Kaveri新モデル「A8-7600」を搭載するミニタワー[2014/08/08]
- マッドキャッツ、タブレット向けの小型Bluetoothキーボード[2014/08/08]
- レノボ、Windowsタブレット「Miix」シリーズ購入で5,000円キャッシュバック[2014/08/08]
- 読者投稿お宅のオタクネコ拝見自分の壁紙写真にうっとり[2014/08/08]
- ダイジェスト・ニュース[2014/08/08]
- アップデート情報[2014/08/08]
2014年8月7日
- 連載笠原一輝のユビキタス情報局3つのキーワードに隠された次世代Windowsの目標[2014/08/07]
- VAIO、販売中の3製品をそれぞれ約1万円値下げ[2014/08/07]
- 連載瀬文茶のヒートシンクグラフィックbe quiet!「DARK ROCK PRO 3」[2014/08/07]
- レノボ、「ThinkPad 10」の開発背景や搭載技術を披露【解説編】[2014/08/07]
- レノボ、「ThinkPad 10」の開発背景や搭載技術を披露【写真レポート編】[2014/08/07]
- PLEXTOR、“SATA 6Gbpsの上限性能”に達したSSD「M6 PRO」[2014/08/07]
- 8月12日よりIEは古いActiveXコントロールをブロック[2014/08/07]
- 国交省、飛行機内での電子機器使用制限を9月1日から緩和[2014/08/07]
- .bizAMD、倍精度2.5TFLOPS超えのHPC向けビデオカード「FirePro S9150」[2014/08/07]
- やじうまPC Watchスタンフォード大、レーザーで脳内を見る方法を開発[2014/08/07]
- Microsoft、サーバー向けHDD/SSD評価ツールを公開[2014/08/07]
- ダイジェスト・ニュース[2014/08/07]
- アップデート情報[2014/08/07]
2014年8月6日
- Microsoft、Windows 8.1 Update 2は提供せず月例で機能追加へ[2014/08/06]
- 連載1カ月集中講座NASとクラウドを併用して目指すストレージ充 第1回[2014/08/06]
- AOC、Miracastに対応した23.8型ワイド液晶[2014/08/06]
- iiyama、10億色表示対応/応答速度1msの28型4K液晶[2014/08/06]
- ASUS、着脱式2-in-1のCPUを引き上げ、新色追加[2014/08/06]
- iiyama PC、3万円台のミニタワーにAMD APUモデル追加[2014/08/06]
- トレンドマイクロ、IoT時代を見据えた個人向けセキュリティ戦略を紹介[2014/08/06]
- カシオ、英語学習コンテンツを充実させたビジネス向け電子辞書[2014/08/06]
- 読者投稿お宅のオタクネコ拝見ディスプレイアームでしつらえられたネット監視特等席[2014/08/06]
- やじうまPC Watch超堅牢PC「Latitude 14 Rugged Extreme」を落としまくってみた[2014/08/06]
- ダイジェスト・ニュース[2014/08/06]
- アップデート情報[2014/08/06]