世界最大のスマートフォン市場である中国で、サムスン電子は現地メーカーの小米(シャオミ)に抜かれてシェア2位に転落した。2011年の10-12月期(第4四半期)に1位となってから2年半来のことだ。今年に入ってサムスンのシェアは1-3月期には一時18.3%を記録したが、4-6月期には12%にまで一気に低下した。これに対して小米のシェアは昨年まで5%前後で推移していたが、今年1-3月期10.7%、4-6月期には14%と大きく躍進し、今回初めて1位となった。また聯想集団(レノボ)や華為技術(ファーウェイ)など中国の他のメーカーも成長を続けており、サムスンは2位の座を守ることさえ困難が予想されている。現在、世界で最も急成長しているインドでも、サムスン電子はすでに現地メーカーのマイクロマックスに1位の座を明け渡している。
サムスンにとってより深刻な問題は、今後も市場が好転する兆しが見えないという点にある。世界のスマホ市場は高機能高価格から中低価格製品中心へと急速にシフトしている。スマホの技術革新もすでに限界に到達し、メーカーごとの性能差もほとんどなくなった。その結果、価格が最も重要な要素として浮上し、これまで「アップルのコピー」などと呼ばれていた小米の製品は、サムスンのギャラクシーの半分以下の価格で販売されている。そのためサムスンが今後ラインアップを増やしてシェアを回復できたとしても、中低価格製品が販売の主力となり激しい価格競争が続けば、利益の回復はほとんど見込めないだろう。
スマホの主導権が中国に渡ったことで、これまでサムスンに部品を供給してきたグループの関連会社や協力会社などもすでに大きな打撃を受けている。今はまさに韓国経済を支えるIT(情報技術)産業に赤信号がともったことを認めざるを得ない状況だ。サムスンと韓国経済の今後は「スマートフォン以後」を見いだせるかどうかに懸かっている。