東電説明に漁業者反発 地下水海洋放出
東京電力は7日、相馬市の相馬双葉漁協で開かれた同漁協理事会に出向き、福島第1原発の建屋周辺の井戸からくみ上げた地下水を浄化して海洋放出する計画を説明した。第1原発では建屋山側の地下水をくみ上げて放出する地下水バイパス計画が5月に始まったばかり。さらなる風評を招きかねず、理事からは「拙速だ」との声が上がった。
理事会の質疑は非公開で行われた。東電から福島復興本社の新妻常正副代表らが出席した。
出席者によると、高濃度のトリチウムが検出されている12番井戸の地下水を混ぜて放出する地下水バイパスの運用方法などに対し、理事側が異議を唱えた。
佐藤弘行組合長は理事会後、「放出基準は地下水バイパスと同じにするのが大前提だが、必要性への説明が十分でなく、判断する段階でない」と語った。
一般組合員からも「地下水バイパスの効果に関する説明がない。汚染前の地下水とは違い、簡単に認められない」と反発の声が上がった。
東電は8日、いわき市のいわき市漁協に計画を説明するが、既に批判の声が出ている。同市小浜の漁業者(78)は「地下水バイパスで苦渋の決断をした。今後も次々と際限なく、こうした話が出てくるのではないか。これでは風評被害などなくならない」と話した。
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2014年08月08日金曜日