悲しき兵士の姿から平和学んで 立命大で「京都の戦争展」
「平和のための京都の戦争展」が5日、京都市北区の立命館大学国際平和ミュージアムで始まった。70年前のビルマ(現ミャンマー)でのインパール作戦に従軍した京都の軍医によるスケッチや、兵士が撮影した中国戦線の写真など約300点を通して、平和の尊さを訴えている。
インド北東部のインパールの攻略を目指した作戦では、無謀な計画のために戦闘や飢餓で日本兵3万人以上が命を落とした。下京区の中野圭子さん(72)の父信夫さんは軍医として従軍し、戦後、目の当たりにした悲惨な光景を絵に残した。
会場には、豪雨の密林を進む兵士の後ろ姿や兵士の遺体をついばむ猛禽(もうきん)類、歩けなくなって木にもたれる病傷兵など、痛ましい戦場の様子を伝えるスケッチ10点を並べた。
中国戦線に加わった兵士の写真のコーナーでは、北京市郊外の盧溝橋やモンゴル国境近くのノモンハンに向かう南満州鉄道、舞踊を披露する日本からの慰問団などを撮った20枚を紹介している。このほか、集団的自衛権や京都府京丹後市で整備が進む米軍Xバンドレーダーを解説するパネルもあり、訪れた子どもたちは平和憲法や基地問題について考えていた。
10日まで。午前9時半~午後4時半。入場無料。子ども向けの紙芝居や原爆訴訟映画の上映もある。実行委員会事務局TEL075(231)3149。
【 2014年08月06日 08時28分 】