夕凪の街 桜の国:原爆の悲劇…ヒンディー語で読み聞かせ

毎日新聞 2014年08月08日 11時18分(最終更新 08月08日 11時42分)

「夕凪の街 桜の国」のせりふを朗読する俳優たち=ニューデリーで2014年8月6日午後6時45分、金子淳撮影
「夕凪の街 桜の国」のせりふを朗読する俳優たち=ニューデリーで2014年8月6日午後6時45分、金子淳撮影

 ◇インドの首都ニューデリーで

 【ニューデリー金子淳】広島の原爆投下の影響を描いた漫画家、こうの史代さんの作品「夕凪(ゆうなぎ)の街 桜の国」のヒンディー語による読み聞かせが広島原爆忌の6日夜、インドの首都ニューデリーで行われた。国際交流基金が原爆の悲劇を知ってもらおうと企画した。参加したインド人からは「原爆の記憶を後世に伝えなければと思った」などの感想が聞かれた。

 被爆した女性とそのめいの人生を描いた漫画で、日本では2007年に映画化され話題になった。インド在住の翻訳家、菊池智子さん(44)が昨年、「若者に関心を持ってほしい」とヒンディー語に翻訳。読み聞かせではインドの若手俳優5人がせりふを朗読し、観客は手元でページをめくりながら物語に聴き入った。日本語を学ぶ弟と参加した会社員、ニシャントさん(21)は「原爆は人々の暮らしを壊したと痛感した」と話した。

 一方、インド国会は6日、犠牲者追悼のため恒例の黙とうを行った。モディ首相は「人類が二度とこうした日を見ることがないよう望む」との声明を出した。インドは推定90〜110発の核弾頭を保有しているとされる。

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