「死ななくてもいい人を亡くした」――。
国内外の研究者から続々と哀悼の声が寄せられている笹井芳樹・理化学研究所CDB副センター長(52)の自殺。最大のナゾはなぜ、このタイミングで命を絶ったのか、ということだろう。
STAP細胞論文の共著者として、その存在を信じ続け、小保方晴子研究ユニットリーダー(30)に宛てた遺書にも「必ず再現してください」と書き記していたという笹井氏。論文の疑惑が指摘され始めた3月ごろから心理的ストレスを感じ、辞意をほのめかしていたとされる。自殺は、思いつめた末に選んだ「最後の手段」と受け止められているものの、今になってプッツリと生きる意志が絶えてしまった理由はハッキリしない。
「8月中には理研が進めている『STAP細胞』の検証実験の中間報告が公表されます。いまだに再現に成功したという情報はないものの、小保方さん本人が実験に加わることにもなり、わずかだが『希望』は残っている。笹井副センター長が直接、手を出すことはできなくても、間接的に小保方さんをフォローすることはできたはず。このタイミングで自殺を図る意図が分からないのです」(兵庫県警担当記者)