アフィリエイターさんに対して故意に報酬を承認しない広告主が問題になっています。その逆に深夜の時間帯や広告主の本拠地県外で広告出稿するアフィリエイターさんが問題になっています。他にも広告主にバレずに「よくそんなこと思い付くよな」と感心してしまうくらいの方法を日々研究されています。
お互い対策を講じてイタチごっこになっているのが現状。本来パートナーになるべき「広告主」と「紹介者」ですが、一部で不義理を働くおバカさんが居るため、こんな残念な自体が起こってしまいます。
まずは我が身から、ということでアフィリエイターさんに嫌われるようなことをやっていないか?パートナーにできているeコマースはどんな特徴があるのか?という視点から確認してみてください。
1 アクセスの誘導先であるランディングページの成約率が低い
紹介者に対して報酬を支払えばOKというわけではありません。広告主が想像している以上にアフィリエイターさんは頭がキレます。合理的かつ効率的にアフィリエイト報酬を獲得していくプロフェッショナルだと思ってください。そんな「WEBでモノを売る」プロフェッショナルを巻き込んでパートナーにしていくには、まずはアフィリエイターさんのスキルや知識に対してリスペクトすることです。価値観や行動動機を知ることから始まります。
アフィリエイターさんが活用するメディアとして、主に「ブログ」「PPC広告」「SNS」の3つを軸に運営されています。報酬はもちろんのこと、承認率、ランディングページの成約率、これらを仲間内で意見交換されています。
ランディングページの成約率という部分だけ見ても、
「訴求ポイントがTwitterに向かないので、厳しいですねー」
「エントリーフォームがザルなので、コンバージョンまでいかないですねー」
というような声が当たり前のように聞こえてきます。凡庸なWEB制作業者と比べると余程、専門的で戦力になるポイントを知っています。ご機嫌を取れ、というわけではありませんが、広告主はアフィリエイターさんに瞬時に見切られているということは知っておいてください。今後に備えて、
今からできること
1 サーチ型広告経由でアクセスを流したときのランディングページ成約率を計測する
2 ディスプレイ型広告経由でアクセスを流したときのランディングページ成約率を計測する
3 サーチ型&ディスプレイ型の収益(報酬)シミュレーションを計算する
誘導媒体によってランディングページの成約率は変動するものですが、目安として広告主が準備できるデータはあらかじめ揃えておきます。既に広告を出稿されている場合であれば、広告を出稿する目的が1つ追加です。自社の売上を伸ばすために成約率を改善するだけでなく、パートナーにプレゼンする立派な素材になります。GoogleAnalyticsなど、計測ツールを使用せずWEBページを広告出稿しているなら、この機会にぜひ導入しておきましょう。
2 アフィリエイターの行動動機であるアフィリエイト報酬が少ない
誤解を恐れずに言えば、アフィリエイターさんはメリットが無ければ動きません。成果報酬型のWEB版営業マンだと考えれば、優先すべきは報酬だということです。「良い商品を世の中に広めたい」「この会社が好きで紹介したい」という意見も少なからずあるかもしれませんが、それはレアケース。
大前提として、行動することへのリターン。設定されている報酬が良くて、動くに値すると判断するからアクセスを流してくれるのです。商品の良し悪しではなく、売れるか売れないかが基準です。著名なショップや大手の企業が報酬を売上の数%に設定しているからという理由で「同じくらい」に設定しているなら、要注意。アフィリエイターさんにしてみれば、そんな案件は存在しないも同じ。アウトオブ眼中です。
ASPの規約にもよりますが、
- トライアルキットの料金よりも高額な報酬を支払っている広告主
- 成果地点が無料登録で、○千円の報酬設定の広告主
- 定期申し込み商品に対して定期的な報酬還元をしている広告主
紹介したくなるような魅力的な条件を提示されている場合が多々あります。
「ASPに登録すれば誰か紹介してくれるのでは?」という考え方はNG。「どうすればもっと紹介したくなるかな?」と、あの手この手を妄想してください。
3 アフィリエイターの生命線である報酬の承認率が低い
アフィリエイターさんは報酬が発生したと思っても、報酬が確定するまで。もっと言えば自分の口座に入金されるまでは安心できません。実際に、「利益を調整するためにその日の気分で承認or非承認を判断してるんじゃないか?」「販売力のあるアカウントだけには優しい」という悪評が聞こえてくる企業も存在します。もちろん、その方法で長期的に繁栄することは難しいので、1ミリもおすすめできませんが・・・
報酬が高いからといって、アクセスを流してもらえるわけではなく、
報酬が高くて、承認率が高い。そんな条件が紹介者にとってベストです。
アフィリエイターさんの価値観として面白い例があります。
承認率 | アフィリエイト報酬 | |
---|---|---|
商品A | 50% | 3000円 |
商品B | 90% | 1500円 |
この条件で、自分の媒体と合う類似商品が合ったとすればどちらを選ぶか?
と聞くと、承認率が高い商品Bを選びます。報酬額は商品Aの方が高くなりますが、報酬を確定できる確率が高いのは商品Bだからという理由です。
それぞれ10本販売した場合の報酬は
商品A 3000円×10本×50% = 15000円
商品B 1500円×10本×90% = 13500円
商品Aの方が報酬額で見ると1500円高いのですが、アフィリエイターさんで10本以上販売できる販売力のある人は少数なのです。1本、2本は販売できるという人にしてみれば、承認率が50%だと不安で仕方ありません。報酬が発生する確率が50%というのはギャンブル要素が強すぎて、避ける傾向にあります。
4 販促素材である目立ったメディア掲載実績が無い
アフィリエイト広告運用の成功のためには、「紹介者の顔を立てる」という部分が重要になってきます。ブログなど、自分メディアを運営されている方にしてみれば、いくら報酬が良いからといっても「紹介すると信頼残高が減りそうな変なモノ」は紹介できません。
運営しているメディアの信用問題に関わるため、気持ちよく紹介してもらうためには、紹介したくなる素材が必要になります。紹介したくなる素材としてわかりやすいのは、
- テレビ、雑誌、人気ブログで紹介されたことがある
- 対象者から見て知名度のあるお見せで取り扱っている
- 「販売本数○○本」など信頼できる販売実績がある
- 権威ある機関&権威ある人からの推薦がある
- 良い意味でSNSで話題になっている
お客さんから見て好感が持てる証拠になるもの。商品の特徴以外で訴求できるポイントとなる可能性があるものです。アフィリエイターさんはアクセスを流すことが重要な仕事になってきますが、過度に煽らず、自然と誘導しやすい案件を好みます。そうなってくると、メディア掲載実績というのは良いネタなのです。
「そんな実績は無いよ」という場合、諦めるのではなく今から準備しましょう。
現在大人気のショップも大人気になる前は実績なんてありませんでした。
販売開始⇒ちょっと人気⇒人気⇒大人気という過程を踏んでいます。
運良くメディアに取り上げられたわけではなく、狙って仕掛けていたということを知っておいてください。具体的に例をご紹介します。
メディア実績を作る方法その1
「MONIPLA(モニプラ)」というサンプルと引き換えにお客様の声がもらえるサービスを活用。お客様の声を大量に集めてみる。それによって新しい商品コンセプトのヒントが見つかりますし、さらには継続利用の可能性もあります。
メディア実績を作る方法その2
想定顧客に人気のメディア(ブログ、雑誌、SNS)に広告を出稿。商品に自信があるのなら取材を待つのではなく、まずは小予算で出稿できる広告枠に載せてみます。本屋さんで販売している雑誌社に問い合わせてみる、検索して見つかるブログ運営者に個別交渉する、という方法もありますが、ここでは広告代理店に相談するのが早いです。
各種メディアからさらに深堀りして、「ここに掲載させたい」という意思を持って相談しないと広告代理店のお客さん(都合のいい)になってしまいます。重要なポイントとして、掲載素材となる文章やレスポンスの方法などは徹底して自作してください。最低限のダイレクトレスポンスの知識を学ぶきっかけになります。
メディア実績を作る方法その3
業界トレンドを把握して、プレスリリースを活用。扱っている商品に対してあらゆる角度から継続的にプレスリリースを実施します。WEBメディアであれば都度課金の主要メディア一括配信サービスから月額固定料金で配信し放題のサービスまで多種多様なプレスリリース関連サービスが存在します。
取材されたい媒体運営会社に対してFAXDMを配信するというアナログな方法も今だ効果的です。FAXDMはゴミ箱に捨てられるだけ、と言っている方も居られますが、結局のところ仲良くなりたい相手へのアプローチに配慮があるかどうかです。
全て共通して、常日頃から種をまけているか?という価値観がポイントになってきます。どんな一流プロデューサーでもマーケターでも100%ヒットさせることはできません。100%ヒットさせるつもりで仕事をしていますが、代案、リカバー案を複数準備しています。なので、1回や2回アプローチしてみてメディアに取り上げられなかったとしても気にしないでください。失敗ではなくテスト。いちいち一喜一憂していたらショップ運営はできません。
メディア掲載実績や過程で発見したコンセプトなどは、今後のWEBページやメルマガでそのまま使用できるため、ぜひご検討ください。
5 紹介してもらうための販促素材を準備しない
人間が共通して嫌うものとして、「面倒くさい」という感情があります。面倒くさいことが好きという人は居ません。アフィリエイターさんに置き換えると紹介するまでに「準備しなければいけない手間」を嫌う傾向にあります。つまり、広告主がその手間を軽減すること。これが気持ちよく紹介してもらうためのポイントになってきます。地味ですがこれも立派な仕事です。具体的に例を挙げると、
手間を省く販促素材の例
「大は小を兼ねる」ではないですが、使わないかもしれないけれどあったらいいな、という素材を準備しておきます。アフィリエイターさんの中には販促物を自作することにポリシーを持っている方も居られますが、それでも準備しておけば自作の参考になります。
・メルマガを用いて紹介してくれる方のために号外広告文面
・画像を加工せずサイトに貼れる豊富な種類(サイズ)のバナー
・Twitterで紹介できる140文字以内の紹介文面
・フェイスブックの特徴に合わせたセールス感の無い紹介文面
紹介したくなる販売素材の例
紹介するときに成約率がアップする可能性があるもの。自己重要感を満たすような、「あなただから紹介してもらいたい」というメッセージ要素があるもの。
・紹介者のためにわざわざ準備した特別な特典
・一般公開前に先行して紹介できる権利
・ヘッドコピーが紹介者専用に編集してあるランディングページ
嫌と思う人が居ないような販促素材であれば、できる限り準備しておきましょう。魅力的なアフィリエイト報酬を設定して、成約率の良いページを準備すればアフィリエイト広告運用に関しては優良企業に見えますが、本当に使いこなしている広告主は一味違います。
さらにそこからアフィリエイターさんが報酬を獲得しやすい環境を整えることを考えて、「定期的なメディア活動」「販促素材を準備」。成果確定地点をゆるくするといった荒業を実行する場合まであります。ここまで考える広告主と、とりあえずASPに登録した広告主、では差が出てくるのは当たり前ではないでしょうか。
まとめ パートナー以外の何物でもない
良い商品を作って安定供給できればモノが売れる時代は過去の話になりつつあります。生涯、ショップを運営するためには「良い商品を作る」+「お客さんに商品を届けるスキル」このどちらも必要不可欠です。後者のプロフェッショナルであるアフィリエイターさんを無下に扱う広告主にならないために、方法論以上に「人との付き合い方」の参考になれば幸いです。
著者情報
- ネット通販の心理学 編集長&筆者
頼株式会社 代表取締役
eコマース&実店舗の顧客単価を最大化するための
LP制作、メルマガ記事執筆、DM制作を担当。
頼って頂けるクライアントの「経費削減」と「成果優先」がテーマ。
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