RBRにはコレがベスト!というセッティングはありません。ドライビングスタイル/テクニック・コース・天候、それぞれの違いに対して常に最適なセッティングを導き出すことは不可能です。しかし、そこをあえて練習用(つまり速いとは限らない)としてベターなグラベル用セッティングを紹介してみます。
「全然曲がらないかと思いきや、急にオーバーステアが出たりして運転しにくい。」と感じたことはありませんか。デフォルトセッティングでも乗りこなせればかなり良いタイムを出すことができます。しかし、練習用としては挙動の変化が激しすぎて車の基本的な挙動や荷重移動の感触を体得するのには適していません。
そこで、より変化が穏やかで安定した挙動と走りができるセッティングを目指します。
デフォルトセッティングから変更する項目は次の通りです。
見ての通り全体的に強めの状態です。ほとんどの状況で70%のトルクがかかるため急激な変化はかなり減少します。
30→25にします。フロントは20のままです。
これでデフトルクアップによるもっさり感が多少減少します。また、バンプを越えるときのリア接地性が良くなるのでTarnerなどの激しいデコボコ路面で安定性が増します。
デフトルク変化が穏やかになるので急激なアンダーやオーバーが出にくくなります。そのため、ドリフトアングルが安定します。また、コース状の突起や、コース外に一瞬出てしまった場合などでも姿勢の乱れが少なくなります。ハンドブレーキを使った場合もより緩やかに回頭するようになります。
デメリットアクセルオフ時でも高いデフトルクが保たれるためステア操作に対するレスポンス・回頭性が落ちます。その為、よりはっきりとした荷重移動が必要になります。荷重移動が適切に行えていないと常にアンダーステアの傾向になります。
どういう走りが合うのか
基本的にドリフト主体の走りが合います。といっても派手にドリドリするわけではなくて、コーナー手前で適度に向きを変えて微カウンターで抜ける走りが良いでしょう。グリップ重視の場合でもコーナー手前でちょっとリアを流し気味に入るとよいです。
全体的にもっさりな挙動になるので「曲がらないよー」と感じる方もいると思います。特にステア操作に頼り切って走っていた人だと全然曲がらないかもしれません。これを機にしっかりと荷重移動できるようになりましょう。
低速でツイスティなコースではフロント・リアのデフトルクを1〜2割弱くするとよいでしょう。グリップ重視の人もそのくらい弱くしたほうがしっくりくるやもしれません。
アメリカやオーストラリアなどの高速コースではフロントデフのみ1〜2割程度固くするとよいでしょう。
慣れてくるともっとキビキビとした挙動にしたいと思うかもしれません。そういう場合はデフマップのSpeedの項目を弱くしてみてください。つっこみ時の姿勢変化は速くなりますが、そのぶんトラクションは落ちるのでより微妙なステア操作とスロットルコントロールが必要になってきます。アクティブデフのキモはこのSpeedの項目にあるといっても過言ではないでしょう。
逆にデフマップすべてを100%にしてみるのも面白いです。タイムアタックには向きませんが、曲がらない車を無理矢理曲げるテクニックは役に立つと思います。