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【社会】

福島の高校生 核の怖さを伝える 平和大使2人 長崎の式典出席

 「核兵器の怖さを、高齢の被爆者の分まで伝えたい」。核兵器廃絶を世界に訴える高校生平和大使に、東京電力福島第一原発事故の影響で苦しむ福島県から、石井凜さん(16)=南相馬市=と本田歩さん(17)=いわき市=の女子高校生二人が選ばれた。スイスの国連欧州本部への出発に先立ち、九日の長崎市の平和祈念式典に、十九人のメンバーとともに出席、被爆者の思いを受け継ぐ。

 石井さん宅は第一原発から約十五キロの場所にあった。事故から三年以上たった今も仮設住宅から戻れない。「ここが自分の家って言えるようになっちゃった」。家族は食材や飲み水を県外から取り寄せる。「放射線の恐怖とともに生活している」と打ち明ける。

 六月に訪れた広島で、被爆者も差別に遭い、後々の健康被害におびえていたと知った。「核の恐怖は原爆も原発事故も同じ。自分の体験も、核兵器廃絶に結びつけて伝えられるのでは」と自信を持った。

 本田さんは昨年八月、韓国に招かれた際に出会った「世界被爆者展」主催者らから掛けられた言葉に、勇気づけられた。「核の恐ろしさを身をもって知るあなたには、廃絶する力がある」。本田さんは「自分の使命、責任を感じた」と振り返る。スイスでは「人の健康を害するものはこの世に存在するべきではない」と訴えるつもりだ。

 

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