株式会社ドワンゴならびに株式会社ニワンゴに対し、ヘイトスピーチ動画、生放送の放置についての抗議文を送付しました。
以下の抗議文を、メールおよび内容証明郵便にて送付しました事を、みなさまにご報告いたします。
2014年8 月8日
株式会社ドワンゴ
代表取締役会長 川上 量生殿
代表取締役社長 荒木 隆司殿
株式会社ニワンゴ
代表取締役 杉本 誠司殿
反レイシズム集団・男組
「株式会社ドワンゴ、ならびにその子会社である株式会社ニワンゴは、自ら定めた利用規約に則り、ニコニコ動画、ニコニコ生放送サイトの適正な運営を図り、差別扇動に荷担することなく企業の社会的責任を果たすべきである」
貴社に置かれましては、時下ますますご清祥のこととお慶び申し上げます。
さて、株式会社ドワンゴの子会社である株式会社ニワンゴが運営している二コニコ動画及びニコニコ生放送には、以前より在日コリアンなどに対するヘイトスピーチが、動画、コメント、生放送ともに放置されている状態です。
これらはニコニコ動画の利用規約「3.禁止事項」、およびニコニコ生放送の利用規約「3.生放送を実施する際の禁止事項」にある「差別につながる民族・宗教・人種・性別・年齢等に関する表現行為」に明確に違反しています。また「他の利用者への中傷、脅迫、いやがらせに該当する行為」にも抵触すると同時に「公序良俗、一般常識に反する行為」にも該当すると考えられます。我々はこれらの動画が放置されている事態を重くみて、御社へ以下の抗議と3つの要請を致します。
7月8日「京都朝鮮学校襲撃事件」に対して大阪高裁の判決が出ました。同判決は人種差別撤廃条約を直接の根拠として被告らの不法行為を「人種差別」と認定し、刑事立法なしに、現状で人種差別言動に対し、「ヘイトスピーチ」として法的措置をとりうることを示しています。ここで示された原則は社会法益の観点から街頭デモやネット上の差別書き込み、動画配信などにも適用しうると考えられます。
現在、ニコニコ動画及びニコニコ生放送に在特会をはじめとする差別主義者たちによってアップされている動画、あるいは放送は「ヘイトスピーチ」そのものであり、この社会に差別を扇動し拡散するものに他なりません。
以下、あくまでも一部ではありますが、ニコニコ動画における具体的事例を指摘します。これは、以前に我々が申し入れた際に、貴社から具体的な動画を報告するよう依頼されたことへの回答でもあります。
【日韓断交】 2/24 鶴橋の中心でnoと叫ぶ@大阪 ① 【街宣】
http://www.nicovideo.jp/watch/sm20200196
( 07:06 ~ 代表世話人である未成年男性(当時)がゴキブリチョンコを叩き出せと扇動)
【日韓断交】 2/24 鶴橋の中心でnoと叫ぶ@大阪 ② 【街宣】
http://www.nicovideo.jp/watch/sm20200379
( 01:30 ~ 通行人女性に対する集団での罵倒。乞食、殺せなど)
( 03:30 ~ ゴキブリチョンコを叩き出せと扇動し警官隊との騒動を煽る)
( 07:20 ~ ぶち殺すと男性参加者が声を入れる)
( 14:25 ~ 通行人を帰れチョンコと罵倒)
【日韓断交】 2/24 鶴橋の中心でnoと叫ぶ@大阪 ③ 【街宣】
http://www.nicovideo.jp/watch/sm20200648
( 00:45 ~ 通行人の親子連れをブサイク、デブと罵倒)
( 12:25 ~ 女性参加者が私の母は韓国人を早く殺してしまえばいいと言いましたと絶叫)
【日韓断交】 2/24 鶴橋の中心でnoと叫ぶ@大阪 ④ 【街宣】
http://www.nicovideo.jp/watch/sm20200833
( 01:45 ~ 男性参加者が在日クソチョンコの皆さんと挨拶)
( 12:50 ~ 男性参加者が在日が住み着くと鶴橋が臭くて仕方ないと発言
更にクソチョンコは死ねなどと発言)
2/24 爆竹(?)が鳴り響く鶴橋の中心でnoと叫ぶ@大阪⑤【街宣】
http://www.nicovideo.jp/watch/sm20200991
( 00:01 ~ 男性参加者がチョンコのドタマを叩き割れ!→叩き割れ 応答)
【日韓断交】 2/24 鶴橋の中心でnoと叫ぶ@大阪 ⑥ 【街宣】
http://www.nicovideo.jp/watch/sm20201211
( 04:40 ~ 男性参加者がゴミクズ、生きている価値がないと在日朝鮮人を罵倒)
【日韓断交】 2/24 鶴橋の中心でnoと叫ぶ@大阪 ⑦ 【街宣】
http://www.nicovideo.jp/watch/sm20201452
( 10:30 代表世話人である未成年男性(当時)がゴキブリチョンコを叩き出せと扇動)
更に在日朝鮮人に対して「毒飲め首吊れ飛び降りろ」などと扇動
これらの動画内容が「差別につながる民族・人種に関する表現行為」「他の利用者への中傷、脅迫、いやがらせに該当する行為」でないとすれば、一体、他の何がそれに該当するというのでしょうか。川崎市長、大阪市長、東京都知事らも「ヘイトスピーチ」の問題に対し深い憂慮の念を示し、何らかの対処をすることを明言しています。また各地方自治体でもその動きが強まりつつあります。8月7日には舛添東京都知事が安倍首相と面会し、ヘイトスピーチに対し、「人権に対する挑戦。2020年五輪を控えた東京でまかり通るのは恥ずかしい」として法規制をするよう求め、安倍首相も自民党内で対策を検討させる考えを示したと報道されています。
さらに人権問題の専門家で構成する国連自由規約人権委員会は7月24日、日本政府に対し、人種差別や対立をあおる「ヘイトスピーチ」の禁止などを求める「最終見解」と題した改善勧告を出しヘイトスピーチの反社会性に言及し、対処を要請しました。「人種差別を許さない、それを扇動するヘイトスピーチには毅然とした対処をする」というのが世界的潮流なのです。
株式会社ドワンゴならびにその子会社である株式会社ニワンゴが、こうした社会のフェアネス (公平性) を壊す「表現行為」を放置し、結果としてそれに荷担してきたことに我々は強く抗議します。貴社は社会的責任のある一企業として、これらの差別扇動に対して毅然とした態度で望まなければならないことは、これまで述べた経緯からも自明の理です。株式会社ドワンゴならびにその子会社であるニワンゴは、自らが定めた利用規約に則り、ニコニコ動画、ニコニコ生放送サイトの適正な運営を図り、差別扇動に荷担することなく企業の社会的責任を果たすべきです。
我々は株式会社ドワンゴならびにその子会社である株式会社ニワンゴに対し、以下を要請します。
- 株式会社ドワンゴならびにその子会社である株式会社ニワンゴは、上記に上げた動画を「差別につながる民族・宗教・人種・性別・年齢等に関する表現行為」であると認識し、自らが定めた利用規約に従ってすみやかに削除すること。
- 自らが定めた利用規約の徹底をはかり、自社のサービスが差別扇動に利することないよう、ユーザへの徹底した告知、啓蒙を行うこと。
- 利用規約に違反する動画、生放送が発覚した場合には、利用者への通告、利用停止とあわせて、動画の削除、放送中止等の適切な措置をすみやかにとること。
株式会社ドワンゴならびにその子会社である株式会社ニワンゴが企業の社会的責任を果たし、益々発展することを期待しつつ、以上の点について誠意ある対応と回答を望むものです。
以上