漫画やアニメなどの書籍・グッズの販売・買取をする「まんだらけ」が、店内で万引きを働いた犯人とみられる防犯ビデオ映像の写真をホームページや店内で公開し、物議を醸している。警察に頼らない独自捜査は、思わぬトラブルを招きかねない。
まんだらけが出した“手配書”は「警告 8月4日 17時頃 まんだらけ中野店4F変やで25万円の野村トーイ製 鉄人28号No.3ゼンマイ歩行を盗んだ犯人へ」と書かれ、盗まれたブリキの鉄人28号の写真とともに顔にモザイクがかけられた男の防犯カメラ映像が添えられている。加えて「1週間(8月12日)以内に返しに来ない場合は顔写真のモザイクを外して公開します」と返品を呼びかけている。
被害判明からわずか24時間で異例の手配書公開に踏み切ったまんだらけ広報は7日「犯行に及ぶ動画も確保している。『罪を憎んで人を憎まず』というのがありますが、期日までに返還なき場合は画像公開、犯人の特定という処置を行う予定です」とのコメントを出した。
まんだらけ中野店は、4フロアに26ジャンルの店舗が立ち並び、万引き被害も多いとみられる。一方、警察も窃盗は扱い件数も多く、捜査は後回しになりがちだ。店側としては、公開に踏み切ることで捜査をせっつかせる狙いや、今後の防犯対策の意味合いも兼ねているとみられる。
ただリスクも大きい。元神奈川県警刑事で犯罪ジャーナリストの小川泰平氏は「どのような映像があって、確証があるかは分からないが、(犯行時の)手元が映っていなければ決め手にならず、逮捕状が取れないことも多分にある。だからこそ警察が捜査で埋めていくもの。1週間後にモザイクを取るというが、素顔を公開するようなことがあれば、(容疑者がクロでも)プライバシー侵害の名誉毀損になる可能性もある」と指摘する。
警察としても迷惑な話だ。所轄の中野署には店側から被害届が出され、捜査関係者は「捜査している」と苦虫をかみ潰したが、店側の勇み足で、容疑者が逃亡を図ってしまう可能性もある。また、容疑者が店側を逆恨みし、予期せぬ行動を取った場合に責任の所在がどこにいくのかも問題になる。店側はやりきれなくとも独自対応は、考えもののようだ。
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