7日、理化学研究所が、発生再生科学総合研究センター・副センター長、笹井芳樹氏の自殺を受け、「静寂な環境」を懇願する声明を発表した。

笹井氏は5日、自身の研究室のある先端医療センターで首を吊った状態で発見され、その後病院で死亡が確認された。多くのメディアがこれについて報じたが、理科学研究所は7日、ホームページ上に「STAP細胞問題にご関心を寄せられる方々へ」という声明を発表。

笹井氏の自殺に哀悼の意を表した上で「今、大切なことは、この不幸がこれ以上周辺の関係者に影響を与えないことであると認識しております。波紋が社会的に大きく広がる中で、関係者の精神的負担に伴う不測の事態の惹起を防がねばなりません」と切り出した。

現在の状況について、「STAP論文の著者たちが、多方面から様々な批判にさらされ、甚だしい心労が重なったことを懸念し、メンタルケアなどに留意していたところですが、今回の事態に至ってしまったことは残念でなりません」と述べ、

「当該論文著者のみならず、現場の研究者、特に若い研究者たち、技術者、事務職員ならびにその家族、友人たちの動揺と不安は深刻であり、非常に大きな心労を抱えている者もおります。理研は、今後もあらゆる方策で、こうした心身の負担軽減を講じていく所存ですので、皆様にも、ぜひこの状況をご理解とご協力いただきたくお願い申し上げます」と、綴っている。

最後には「理研はSTAP研究論文にかかる問題の解明と、研究不正再発防止のための提言書等を踏まえた改革のためのアクションプランの策定に真摯に取り組んでおります。理研自らが、社会の要請に応えるべく、一刻も早く研究に専念できる環境を再生することが何よりも重要であると考えております。そのためにも、いましばらくの時間と静寂な環境を与えていただくことを切にお願い申し上げます」と締めくくった。

【関連リンク】
独立行政法人理化学研究所「STAP細胞問題にご関心を寄せられる方々へ」

【関連記事】
小倉智昭氏、笹井芳樹氏自殺にショックを受けながらも「報道の使命もある」と語る
テリー伊藤、自殺した理研・笹井芳樹氏についてコメント「小保方さんのデータに関しては手ぬるかった。ここがやはり、彼の最大のミスだった」
笹井芳樹氏の自殺に宮根誠司氏は「そんなに責任感じなくてもと思う」とコメント