北がFXで資金洗浄 日本の不正口座操作 大阪府警摘発
産経新聞 8月8日(金)7時55分配信
外国為替証拠金取引(FX)をめぐる金融商品取引法違反容疑で大阪府警に逮捕された静岡県の貿易会社代表(41)の顧客向け口座が、北朝鮮の兵器密輸の資金洗浄(マネーロンダリング)に使われていた疑いがあることが7日、公安関係者への取材で分かった。金正恩(キム・ジョンウン)第1書記直轄の工作機関が運用していたとみられる。国際社会が懸念を深める北朝鮮の資金洗浄の一端が浮かび上がった。
府警によると、貿易会社代表は、中朝国境付近の中国・延吉を実際の拠点として活動。先月下旬、無登録で日本国内の顧客の資金をFXで運用した疑いで逮捕された。日本の金融機関で開設した顧客名義の口座は計数十にのぼり、取引用IDとパスワードを預かって取引していたという。
公安関係者によると、こうした取引は、中国浙江省のソフト開発企業の技術者らが、貿易会社代表が日本国内の知人に預けたパソコンを遠隔操作して実行していた。この企業は金第1書記直轄の工作機関「偵察総局」のダミー企業で、パソコンの操作にも偵察総局が資金洗浄用に開発したソフトを使っていたとされる。
資金洗浄のために、偵察総局は香港に別のダミー企業も設立。香港のこの企業が、兵器密輸などで得たとみられる資金を使って、香港のFX市場で売買を行い、それと同時に浙江省のダミー企業が同額で逆の売買を実施、香港のダミー企業が損失を出すと、その分が運用益として日本の顧客口座に入るといった仕組みをつくっていたとみられる。さらに、中国国内の一般の口座などを使った運用も組み合わせ、資金洗浄を完成させていたとされる。
北朝鮮との武器取引は国連の制裁対象で、資金の流れに対する欧米の監視も強い。北朝鮮は中東やアフリカ諸国、テロ組織との取引で得た資金を、英独や中国、マカオなどいくつもの口座に小分けし、管理・運用しているとされる。日本の個人投資家の口座はマークされる可能性が低く、洗浄ルートの一つに選ばれたようだ。
貿易会社代表は、在日本朝鮮人総連合会(朝鮮総連)関連の商工人にもFXへの投資を募っており、今回の仕組みは、北朝鮮への送金ルートになっていた可能性もあるという。府警はFXでの運用に使われたパソコンや書類を押収、運用実態の解明を急いでいる。
最終更新:8月8日(金)13時58分
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