Updated: Tokyo  2014/08/08 13:41  |  New York  2014/08/08 00:41  |  London  2014/08/08 05:41
 

軽井沢に全寮制の多国籍高校開校へ-グローバル人材を育成

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  8月8日(ブルームバーグ):米国、東南アジアやアフリカなど世界中から集まった生徒とともに長野県軽井沢で寮生活を送りながら、英語で授業を受ける高校が今月24日に開校を迎える。次世代を担う人材の育成を目指すという。

インターナショナルスクール・オブ・アジア軽井沢(ISAK)の発起人代表を務めるヘッジファンド、あすかアセットマネジメントの谷家衛会長は、受験勉強に比重を置く日本の従来の教育とは一線を画したモデルを描く。「ハングリーで、才能ある子供たち」を奨学金も提供して世界中から集め、その中で日本人が一緒に学び、グローバルに活躍できる人材を養成するのが谷家氏の狙いだ。

国内企業が成長を求め海外進出するのに伴い、人材のグローバル化も必要になっている。楽天やファーストリテイリングは、英語を社内公用語にした。成長する企業を探し続けてきた谷家氏の投資家としての経験が、新たな学校モデルが日本に必要だという思いの背景にある。

過去の投資を振り返ると「ビジネスモデルに賭けたものはうまくいかないが、人に賭けたものはうまくいった」と谷家氏は言う。「誰がやるかに尽きる」と話す。

経済協力開発機構(OECD)が、65の国・地域の15歳約51万人に対して行った2012年の調査によると、日本は読解と科学の分野が4位、数学は7位だった。1位は3分野とも中国の上海。一方で日本の生徒は「問題解決への意欲」が低いと指摘している。

多様性やグローバルな考え方

谷家氏は長男が12歳の時、北京の公立学校に2年間留学させ、日本の学校では得られない多様性やグローバルな考え方を身につけさせたという。自身は兵庫県の灘高校を経て東京大学法学部を卒業している。

「息子には開発途上国で、ハングリーで才能ある子供たちと一緒に学んでほしかった」と谷家氏は話す。「日本にはそうした学校がなかったので、全寮制のインターナショナルスクールを設立する必要があると思った」と述べた。

ISAK代表理事の小林りん氏によると、50人の募集枠に対し出願数は233人。第1期生は米国や中国、タイ、マレーシア、ソマリアなど15の国と地域から集まり、半分以上の生徒が奨学金を受けるという。日本人生徒は全体の3割程度になるよう選考しており、今回は18人。

全寮制のインターナショナルスクールは国内では初めてと小林氏は言う。ウェブページによると、学費は年間250万円で、寮費100万円程度が上乗せされる。

日本語教育

奨学金では学費と寮費が最大で全額カバーされ、1学年あたり少なくとも20-30%の生徒が受けられるという。日本語は必修科目。

ISAKは国際的に通用する大学入学資格を付与する仕組みの国際バカロレアの認定候補校で、認められれば卒業生は日本を含め世界中の大学への受験資格を得ることになる。小林氏は来年にも承認を得られると期待している。ISAKは文部科学省が認める日本の高等学校としての資格を持つ。

記事に関する記者への問い合わせ先:東証 Dave McCombs dmccombs@bloomberg.net;東京 宮沢祐介 ymiyazawa3@bloomberg.net

記事についてのエディターへの問い合わせ先:Frank Longid flongid@bloomberg.net;Teo Chian Wei cwteo@bloomberg.net宮沢祐介, 中川寛之

更新日時: 2014/08/08 09:50 JST

 
 
 
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