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サイ・ゴダード(3月18日)
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【大リーグ】球児、437日ぶりにメジャー復帰 1イニング無安打無失点で上々再スタート2014年8月8日 紙面から
◇ロッキーズ13−4カブス昨年6月に右肘靱帯(じんたい)修復手術を受けたカブスの藤川球児投手(34)が6日(日本時間7日)、敵地デンバーでのロッキーズ戦で復活登板を果たした。この日、出場登録されると、4−8の6回無死一、二塁から2番手で登板。1イニングを無安打無失点に抑えて復帰戦を飾った。昨季は守護神として迎えられながら、けがでわずか2セーブ。長いリハビリにくじけそうになったが、同じ手術を受けたメッツの松坂大輔投手(33)らに励まされて乗り越えた。今季は残り50試合。生き残りをかけ、日米通算222セーブを誇る“火の玉”右腕が再スタートを切った。 首をひねりながらも、笑みがこぼれた。6回。3人目の打者モーノーを力ない左飛に打ち取り、藤川が悠然とマウンドを降りる。「現状で試合で使える投球をしないといけない。今日はそれができた」。昨年5月26日以来、437日ぶりのメジャーのマウンドで1イニングを無失点。共同電などによると、上々の復活登板に右腕はうなずいた。 出番は見慣れたシーンで訪れた。交代を告げられたのは無死一、二塁のピンチの場面。「復帰戦で見たかった場面ではなかったけど、俺かなと思っていた」。常にチームの窮地を救ってきた右腕にふさわしい復活の舞台。先頭のブラックマンにいきなり死球を与えて満塁としたが、慌てない。「際どいところを狙った。全部、考えて投げている」。次打者ラトレッジは二ゴロ併殺。この間に三塁走者がかえったが、最後のモーノーは2球で料理。計10球で被害を最小限に食い止めた。 昨年6月に受けた手術。復活への道は平たんではなかった。昨年は術後に一度もブルペン入りせず、はやる気持ちを抑えて地道にリハビリ。年が明け、4月に打者相手に投げ始めたが、力を入れられたのは5球程度だった。「もう駄目だと思うこともあった」。くじけそうな日々。支えとなったのは、同世代の戦友だった。 「メールや電話で『そういう症状、あったよ』って聞くと、そんなもんだなって思えた」。メッツの松坂にカブスの同僚・和田。同じ手術を受けた経験者談が、不安を和らげてくれた。肘の状態は気候がよくなった6月に一気に回復。7月、傘下マイナーで計12試合に登板し、防御率0・77。文句なしの数字を引っ提げてメジャーに戻ってきたが、感慨に浸る暇はない。 「いつもここを想像しながらやってきた。現実に今日を迎えると、思ったほど大変ではなかった。人生にはもっと大変なことがある」。契約最終年で今後の生き残りをかけた登板を考えれば、苦しかった日々も「もう過去のこと」と笑って済ませられる。残り50試合。「僕が投げるのはその半分。多くても25試合くらい」とメジャー残留に向け、正念場となるシーズン終盤を見据えた。 この日の直球の最速は92マイル(約148キロ)。全盛時の火の玉ストレートには及ばないが、気持ちは燃えている。「ずっとゼロに抑えたい」。最高の武器は直球よりも強気の心。松坂世代の仲間たちとともに、藤川の巻き返しが始まる。 PR情報
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