精神鑑定:女性被告を全裸で検査 京都地裁選任の男性医師
毎日新聞 2014年08月07日 21時57分
昨年4月に京都地裁の公判前整理手続き中に行われた精神鑑定で、鑑定人の男性精神科医が京都市内の30代の被告女性を全裸にさせて身体検査をしていたことが7日、分かった。女性の弁護人だった古川美和弁護士(京都弁護士会)は「人権を無視した行為。精神鑑定の名を借りた性的虐待だ」と批判。男性医師は「女性から事前に了解を得ていた。体の傷などを確認するため全身を見る必要があった」と反論している。
古川弁護士によると、女性は裁判員裁判対象事件の被告。弁護側が2012年12月に精神鑑定を請求し、京都地裁が鑑定医を選任した。女性は昨年4〜6月にかけ男性医師と9回面接し、3回目の面接の後に男性医師が所属する大阪市内の病院で身体検査を実施。男性医師が女性に服や下着を脱ぐよう指示し、全裸になった体を前後から数十秒間観察したという。拘置所の女性職員2人が立ち会ったが、医療関係者は男性医師だけだった。精神鑑定書に全裸で検査した経緯の記載はなかったが、同年6月に女性から申告を受けて弁護士が地裁に報告した。
精神鑑定に詳しい東京都内のベテラン精神科医は「鑑定時に体を視察するのは基本で、場合によっては全裸で見ることもある。ただし、同性の医療関係者をつけるなど配慮が必要だ」と話している。【村田拓也】