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「100人に1人は無精子症」。ダイヤモンド☆ユカイ氏が語る不妊治療

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ダイヤモンド☆ユカイ氏
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8月1日、東京医科大学病院において、市民公開講座「頑張れ!妊活」が開催された。この講座内で行われたトークショーにダイヤモンド☆ユカイ氏が登場。ユカイ氏は、著書「タネナシ。」で、自ら無精子症や不妊治療などについて語った経験を持っている。今回のイベントでは、自身の治療を担当した専門家を交えて、不妊治療の苦労を語った。

「精子ゼロ」と言われて、本当に言葉がでなかった

杉山力一氏(杉山産婦人科院長):まずダイヤモンド☆ユカイさんにお聞きしたいんですけど、不妊治療を始められたきっかけは?

ダイヤモンド☆ユカイ:ちょっとぶっちゃけて話してもいいですか?

2度目の結婚で、今の妻とバツイチ同士でお互い子供がいなかったので、「次はファミリーを持つべく結婚しよう」と。お互いにそういう気持ちで結婚したんです。

妻が30半ばで、俺も40過ぎていたんですが、妻が「どうせだったらちゃんと診察してもらって、妊娠に臨みたい」ということで、ついていったんですよ。近くの妊娠クリニックっていうんですか?そういうところに。

あくまでも俺は基本的に“つきそい”のつもりで行ったんです。診察したら妻は年齢よりも若くて健康体で、「大丈夫です」と。「あぁよかったなぁ」と思っていたら、先生に「あなたも検査してみませんか」と言われて。「俺?」みたいな。最初はそんな感じで、検査を受けたんですよ。

そしたら、結果が「精子ゼロです」と言われて。無精子症っていうんですか?そういう診断を受けたんです。

田中温氏(セントマザー産婦人科医院院長):皆さんぜひ覚えて帰ってください。無精子症には2通りあります。閉塞性と非閉塞性。閉塞性は、パイプカットで子供を作らないために男性の精管をわざと縛る。これが自然に起きた状態を閉塞性無精子症という。ダイヤモンド☆ユカイさんは、それに当たります。これは触ればすぐわかります。

もしも閉塞性の場合には、妊娠率が非常に高いということを覚えてください。決してあきらめないということです。

杉山:不妊の原因が自分だとわかってどんなお気持ちでしたか。

ユカイ:もうね、まったく青天の霹靂というか。ロックンローラーだったんでね、自分の中では、不妊治療というものが、まったく関係ないものだと思っていたんですよ(会場笑)。

芸能人でも結構いたじゃないですか、72歳で子供をつくったりとか。自分もそういうタイプなんだろうなと。要するに男を売りにしてきてね、ギラギラしてたもんで、自分がロックンローラーだったんで、ヒョウとかトラみたいな存在だと、ずっと思い込んでいたんです。

でも「精子ゼロ」って聞いて、本当に言葉がでなかったですね。トラとかヒョウだと思っていた自分が、「あぁ俺猫だったんだなぁ」と。今これ笑って言ってますけど、その立場になってみないと、人って気持ちがわからないと思うんですよ。もうね、先生も「無精子症でも可能性がありますよ」と言おうとしていたと思うんですよ。でも、それも遮って、自分の中では、暗闇の真っ只中っていうか。2~3日口をきけない状態でした。男としてすべて否定されたというか。そのぐらいのショックでした。

杉山:うちの病院でも、いろいろな患者さんがいらっしゃるのですが、なかなか男性の検査は受けない。夫が拒否をしていて、「まずお前がやれ」と。そういうケースが多いのですが、吉田先生のクリニックではどうですか?

吉田淳氏(木場公園クリニック院長):うちは2人でいらっしゃる方がほとんどです。産婦人科ですが、男性の不妊症の治療もするので。もちろんカップルの病気ですよね、不妊症というのは。特に精液検査というのは痛みも伴わないわけですから、一番最初にやってもらいたい検査だと感じています。

杉山:田中先生のクリニックは、ご夫婦でいらっしゃる方が多いですか?

田中:若い人はカップルというのが圧倒的に多いですよ。男性が奥さんを連れてくるような場合も多いです。一緒に来て、一緒に(検査)するというのが一般的です。時代は変わってきていますね。

杉山:確かに、まず男性を検査して、男性に原因があれば、体外受精をやるケースがほとんどだと思います。もしどうせ体外受精やるのであれば、奥さんの負担をなるべく少なくして、初めから体外受精だと妊娠率も成功率も高いですし、時間も精神的なことはまぁありますけれども、ダイヤモンド☆ユカイさんはどういう風に、体外受精に気持ちを切り替えられたのですか。

ユカイ:俺の場合は、2~3日、口がきけないような状態で。落ち込んで、先生の話も聞かなかったんですよね。で、ある時ネットを見たんですよね。

そこで無精子症というのがズラーっと出てきたんですが、「無精子症でも子供を授かる可能性がある」と書いてあって、「あぁそうなんだ」と。それが今は「顕微授精」とか言われているものなんですけれども。ただ、無精子症だった場合に、どういったことをするか?というのを読んでいったら…陰嚢を切開して…。

陰嚢というのは伝わりづらいと思うんですが、要するに男性の大事なところがあるじゃないですか。ゴールデンボールです(会場笑)。なんていうんですか袋ですよね。あれを切開して、その中から精子を取り出して、女性の卵子と顕微授精して、子宮に戻すという作業なんですけど。

まず陰嚢を切開する、ゴールデンボールを切っちゃうということ。それ自体、恐怖の塊なんですよ。ネットで見たところ、その手術が、「ものすごい痛みを生じる」と書いてあったんですよ。時にはサッカーボールのように大きくなってしまうと。ちゃんと画像もついてるんですよ!。これは俺ズボンはけなくなっちゃうなと。そのぐらいのショックでね。まぁネットだったんでいろんなことが書いてあって、全部鵜呑みにする必要はなかったんですけど。

意を決して、死刑を宣告される人のような感じで、手術を受けたんですけど、実際はなんてことなかったんです。外科の手術にちょっと足したぐらいの、痛みもたいしたことなかったし、一日で帰れるし、やってみたら「なんだこんなもんか」と。蓋を開けてみたら、顕微授精は、女性の方が大変だと。ホルモン注射とかいろいろあるみたいで1日ではすまされないというか。

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