高浜行人、渡辺洋介
2014年8月8日10時20分
「公正」や「誠実」、人間の弱さや強さも――。文部科学相の諮問機関・中央教育審議会は、小中学校の「道徳」の教科への格上げに向けたこれまでの議論のまとめを7日の部会に示した。「特別の教科」(仮称)と位置づけ、指導する徳目を「キーワード」として例示した。文科省は2015年度から段階的な教科化を目指すが、価値の押しつけを心配する声もある。
例示された徳目は、「正直、誠実」と「公正、公平、正義」。これまでの学習指導要領では「正直に明るい心で元気よく」などと文章で表現していたが、「構造を分かりやすく示して指導の効果を上げる」として項目を明記。文科省によると、このほかにも「友情」や「節度節制」「生命尊重」などが指導内容に加わる可能性もある。
これらに照らし、いじめやネット上の情報モラル、生命倫理など現代的な課題の扱いを充実することも掲げた。主体的に考え、自らの生き方に生かすため、子ども同士が話し合ったり、考えたりする「課題解決型」の指導を積極的に採り入れることも提案している。
7日の部会では、評価の仕方が議論になった。文科省の有識者会議が昨年12月の報告書で「数値による評価はなじまない」と指摘し、中教審でも評価を記述式にすることが提案されたが、「せめて丸印ぐらいは許容してもいいのではないか」との意見があり、これに対し、「この子の思いやりはA、この子はCということでは授業が成り立たない」などの反論が出た。
中教審ではさらに議論を重ね、今秋をめどに答申を出す。
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