Photoshop CC以降に搭載された画像アセットの生成機能や、Slicy.appというアプリを使うと、レイヤー(レイヤーグループ)に拡張子付きのファイル名を設定しておくだけで、画像のスライスがとても簡単に行えます。ただ、オブジェクト(ピクセルやシェイプ)のサイズを基準としてスライスするため、透明の余白を含めてスライスしたいときに不便でした。これを解消するには、スライスしたいサイズの四隅に、目に見えないくらいの透明度でピクセルかシェイプを作成して、それを含めた書き出しをするしかありません(他に方法があれば教えてもらえると嬉しいです)。その作業を自動化したのが、今回のスクリプトです。
ダウンロード
GitHubからダウンロードしてください。ページ右下の[Download ZIP]からソース一式をダウンロードできます。更新履歴などもそちらで確認してください。最新は0.5.0です。(2014.8.8現在)
対応バージョン
Photoshop CS5/CS6/CC/CC2014
インストール方法
- ダウンロードしたzipファイルを解凍します。
- zipファイルを解凍すると「Add Slice Area.jsx」「README.md」「LICENSE.txt」という4つのファイルができますが、実際に使うのは「Add Slice Area.jsx」1点だけです。
以下の場所に「Add Slice Area.jsx」をコピーします。Windows版では、お使いのPhotoshopのモードによって、保存する場所が異なりますのでご注意ください。
- 【Mac】/Applications/Adobe Photoshop [CS6/CC]/Presets/Scripts/
- 【Windows 64bit版】C:\Program Files\Adobe\Adobe Photoshop [CS6/CC/CC2014] (64 Bit)\Presets\Scripts\
- 【Windows 32bit版】C:\Program Files (x86)\Adobe\Adobe Photoshop [CS6/CC]\Presets\Scripts\
- Photoshopを再起動します。
- “ファイル”メニュー→“スクリプト”に“Add Slice Area”と表示されていれば、インストール成功です。
使い方
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スライスしたい範囲を[長方形選択ツール]で選択します。
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“ファイル”メニュー→“スクリプト”→“Add Slice Area”を選択します。
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範囲を定義するシェイプレイヤーが追加されれば完了です。見た目では分かりませんが、選択範囲の四隅に1ピクセル四方のシェイプが追加されています。
【補足】追加されたシェイプレイヤーは、自動的に[不透明度:1%]、[塗り:20%]に設定されます。
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書き出したいレイヤーと、追加されたレイヤーをまとめてレイヤーグループにし、レイヤーグループに対してファイル名やパラメーターを設定します。
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あとは、Photoshopの画像アセット生成や、Slicy.appを使って画像をスライスします。
仕組み
指定された範囲の四隅に、1ピクセル四方のシェイプを作成します。このシェイプレイヤーは[不透明度:1%]、[塗り:20%]という、極めて透明に近い濃度(単純計算で不透明度0.2%相当)なので、書き出し後の画像ではほぼ目視できないレベルです。
補足、注意事項など
- 選択範囲にぼかしがあったり、長方形以外の形で選択されているときは処理ができません。警告を表示して中断します。
- 範囲定義のシェイプレイヤーは、スクリプト実行時に選択されているレイヤーのひとつ上に追加されます。レイヤーがひとつも選択されていないときは、最上層に追加されます。
- 範囲定義のシェイプレイヤーには、範囲の幅と高さがレイヤー名として追加されます。
- Retina用の@2x書き出しにも対応しています。
- 当然ですが、書き出したレイヤーの四隅には、不透明度1%以下のピクセルが残ります。肉眼で確認できない程度ですが、どうしてもこのピクセルが問題になるときは、書き出し後に手動で削除してください。
- スクリプトの実行が完了するまでは、他の操作をしないでください。
免責事項
- このスクリプトを使って起こったいかなる現象についても制作者は責任を負えません。すべて自己責任にてお使いください。
- 一応CS5〜CC2014で動作の確認はしましたが、OSのバージョンやその他の状況によって実行できないことがあるかもしれません。もし動かなかったらごめんなさい。
ライセンス
MITライセンスです。ご自由にお使いください
- Add Slice Area.jsx
- Copyright (c) 2014 Toshiyuki Takahashi
- Released under the MIT license
- http://opensource.org/licenses/mit-license.php