パソコン(PC)の遠隔操作ウイルス事件で、威力業務妨害などの罪に問われた元IT関連会社社員、片山祐輔被告(32)の第15回公判が7日、東京地裁(大野勝則裁判長)であり、片山被告は「佐世保女子高生殺害事件の加害少女は自分と重なると思う」などと証言した。

 弁護人からの被告人質問で、片山被告は事件の加害少女が「人を殺してみたかった」と供述したことを引き合いに出し「私も人を恨んでいるわけでもなく、単に腕試しをするつもりだった」と証言。殺人実行の可能性を問われると、2008年に秋葉原無差別殺傷事件を起こした、同い年の加藤智大被告(死刑判決を受け最高裁に上告中)を例に挙げ「もしかしたら自分も同じことをしていたかも」と証言した。

 弁護団によると、片山被告が遠隔操作による犯行をしていたころ、PCで「首切り」「惨殺」などのキーワード検索を繰り返した履歴があるという。同時期には居合道を習い始めており、主任弁護人の佐藤博史氏は閉廷後の会見で「『真剣』で人を殺傷することを考えていたのではないか」と話した。弁護団は臨床心理士による片山被告の情状鑑定の必要性を訴えている。次回公判は9月19日。