次世代ポップシーンの最注目株
Shiggy Jr.インタビュー
インタビュー・テキスト:金子厚武 撮影:柏井万作(2014/8/7)
同じ大学の別の軽音サークルに所属していたシンガーの池田智子とリーダーの原田茂幸が出会い、2012年に結成されたバンドShiggy Jr.。結成して間もなくモナレコードのオーディションに応募すると、バンドにとって3回目のライブでグランプリを獲得し、それをきっかけにミニアルバム『Shiggy Jr. is not a child.』でデビュー。リードトラックの“Saturday night to Sunday morning”が、J-POPのリスナーからインディーロックのリスナー、クラブミュージックのファンから音楽評論家まで、幅広い層からの支持を獲得し、一躍次世代ポップシーンの最注目株となった。
デビュー作の発表後、池田と原田以外のメンバーが入れ替わるも、いよいよセカンドミニアルバム『LISTEN TO THE MUSIC』が完成。バンドサウンドからクラブミュージック寄りの作風になったのは、相思相愛のtofubeatsらの影響によるものかと思いきや、話はそう単純ではなく、その背景には彼らなりの柔軟な感性と、強いミュージシャンシップとの共存があった。これぞインターネット世代のニュースタンダード。きっとShiggy Jr.はこれからますます面白くなるはず。
「チャットモンチーのえっちゃんみたいになりたい!」って思ったんです。(池田)
— 池田さんは高校生の途中まで音大志望だったけど、チャットモンチーの影響でバンドをやることを選んだそうですね。
池田(Vo):ずっとバンドに憧れてはいたんですけど、住んでいたのが田舎だったし、あんまり人前に立つのも得意じゃないから、バンドなんてできないと思ってたんです。でも、チャットモンチーがNHKの『トップランナー』に出てて、裏側の部分を話してたのを見て、「このまま音大に行ってクラシックとかを勉強していいのか?」って悩んで。結局やっぱり歌うのが好きだから、「後悔しないように」と思って、普通の大学に行って軽音部に入ることにしました。
池田智子(Vo)
— チャットモンチーの曲自体もちろん好きだったと思うけど、むしろ考え方とかの方に感銘を受けたということでしょうか?
池田:橋本さんって大人しそうで、あんまり前に出るタイプじゃなさそうじゃないですか? そんな人が、音楽が好きだからって理由だけで人前に出ることを恐れずにバンドをやって、それでいろんな人から認められていったっていう姿にすごく感動して、「えっちゃんみたいになりたい!」って思ったんです。
— じゃあ、大学に入ったときからプロを目指して活動してたんですか?
池田:それが全然で(笑)。軽音サークルに入部して、バンドができるようになって、それで夢が叶っちゃったんですよね。東京は人が多くて、サークルでもすごく上手い先輩がいるし、インディーズのバンドのライブにもよく行ってたんですけど、その中でもプロになれる人はすごく少ないって思ったら、「バンドできるだけでいいかな」くらいに思っちゃってました。
— 原田くんは大学時代はどうだったんですか?
原田(Gt&Cho):僕も大学に入った当初は、普通に好きでバンドをやってる感じで、それで飯を食っていくってほどの気持ちではやってなかったですね。
原田茂幸(Gt&Cho)
— じゃあ、そんな二人が、プロとして音楽をやろうと志したきっかけはなんだったんでしょう?
池田:私は就職浪人までして、2回目の就活をしっかりやってたのに、全然内定が決まらなくて、途方に暮れてました(笑)。それですごい悩んだんですけど、一番好きなことを見ないようにして、他のことを選ぼうとしてるから、それが全部伝わっちゃうんだろうなって思ったんです。普通に仕事をしてもなにをしても、大変なことは変わらないだろうから、「それだったら好きなことをしよう」って、夏ぐらいに決心して、その後に(原田と)出会ったんです。
原田:僕も大学3年の夏ぐらいから普通に就活してたんですけど、「このままだと後悔するな」って思って、途中でやめました。それで、音楽続けるためにパソコンを買い、やっとDTMを始めて。そこから曲を作り貯めて、その内コンペとかにも出すようになり、女の子のボーカルがあった方がいいと思ったときに、たまたま共通の知り合いが(池田を)紹介してくれて。
— 原田くんは、大学時代は自分で歌も歌ってたそうですが、自分が歌うバンドをやりたいとは思わなかった?
原田:そもそもフロントマンをやること自体性に合ってなかったんです(笑)。曲を作ってる方が好きなので、今は自分が作詞作曲をやらせてもらって、池田さんに歌ってもらっているので、やりたい形でやれてるなって思います。
都内で活動中のPOPでPOPなバンドShiggy Jr.の公式キャラクター“しぎじゅにさん”(イントネーションは良純さんに同じ)のiPhoneケースです。手のひらにすっぽり収まるしぎじゅにさんを、いろんなところへ連れて行ってあげてください。前歯がポイント。
Shiggy Jr.(しぎー じゅにあ)
都内で活動中のポップでポップなバンドです。
Vo…池田 智子 / tomoko ikeda
Gt&Cho…原田 茂幸 / shigeyuki harada
Ba&Cho…森 夏彦 / natsuhiko mori
Dr…諸石 和馬 / kazma moroishi
1989~90 相次いで生まれる
1991.01 歩いたり走ったりし始める
2012.12 結成
2013.01 はじめてのライブ
2013.11 1st mini album『Shiggy Jr. is not a child.』リリース!
2014.03 第二期スタート
2014.07 2nd EP『LISTEN TO THE MUSIC』リリース!
2015.03 全国ホールライブツアー(予定)
Shiggy Jr.