ポテトチップスの袋をハイスピードカメラで捉えたら音が聞こえてきた

2014.08.07 15:00
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

140807potatochips.JPG


盗聴器はポテトチップス。

音というのは、物体が振動が空気の振動となり、それが耳に入って鼓膜を揺らし、脳に伝わってくるもの。私たち人間も、声を出す時は声帯が震えているし、感知できないだけで本当はいろんなものが振動して音を出しているんだと思います。

そしてその仕組みを応用して開発された、物体が振動する様子から音を復元する「ビジュアルマイクロフォン」を、MITとマイクロソフト、アドビが発表し、話題になっていますよ。



ビジュアルマイクロフォンは、簡単にいうとハイスピードカメラ。レーザーを使って1秒間に最大6000フレームを撮影することができる、特別なカメラです。これでポテトチップスの袋が空気の振動を受けてわずかに揺らぐ様子を捉え、そこから音を復元しています。明瞭とはいえませんが、確かに音楽や音声を復元できていますね…恐ろしい。


140807potatochips-02.JPG


また動画の後半では、すでに市場に出回っているような1秒間に60フレーム撮影できるカメラで撮影した映像から音を復元することにも成功しており、早くも技術の応用が進んでいるようです。

この技術を目の当たりにすると真っ先に思い浮かぶのは盗聴。これまでは盗聴器をぬいぐるみの中に仕込んで…みたいな古典的な方法でしか傍受するのは難しいと思っていましたが、もっと別の方法が編み出される可能性も出てきたわけです。しかし今回のビジュアルマイクロフォンは、現段階では撮影する物体の密度声の大きさなどでパフォーマンスに差が出るようなので、今すぐにそこまで警戒する必要はなさそう。

それを逆手に取って事件解決などの糸口として活用できたら嬉しいですよね。あとは、昔の音のない映像がもう少し美しい状態で残ってたら、何かしらの音を拾い起こすことができたかもしれません。


source: SIGGRAPH 2014 , engadget

(今野愛菜)

  • このエントリーをはてなブックマークに追加