砂月楼閣シャルムーン、コラーダの街近くの砂漠。
「グルルルルル……」
唸り声をあげながら寝そべる、6頭のウルフンがおりました。
「おなかすいた」
「おみずのみたい」
「オトコがほしー」
いずれも、勇者シャルムーンが倒された事を知らずにシャルムーンから撤退しそびれたピュアリィ達でしたが、今まで事件を起こした集団と違うのは、全員がマスカレイド化している事でした。
「……あ、オトコがいる」
それでも、彼女らの行動原理に何ら変わりがあるわけではなく、1人の商人を見つけると6頭で一斉に突進していくのでした。
「うわっ、何か来たっ!?」
慌てて逃げようとする商人。細面でなかなか良い男です。
「遊ぼー」
「イイコトしよー」
それでもウルフンの足から逃げられるはずもなく、すぐに引き摺り倒されて馬乗りになられる可哀想な商人。
1頭のウルフンが商人で楽しみ始めるのを、最初は眺めているだけの他の5頭でしたが。
「あたしもほしー」
「イイコトするー」
商人は1人でもまだ頭も両の手足もあるのだと言わんばかりにそれぞれが襲いかかって、やっぱり勝手に楽しみ始めるのでした。
彼の精根どころか、その命が尽き果てるまで。
●
「勇者シャルムーンが集めたピュアリィ達の生き残りの一部、どうやらマスカレイド化しちゃったみたいなんだ」
刻苦スカイランナー・ゼオン(cn0173)は、深い溜め息をついてから説明を始めた。
「そのせいで、コラーダの街から北に広がる砂漠では、商人がウルフンに襲われて命を落とすエンディングが見えた。みんな、ウルフンの討伐に力を貸してくれないかな?」
早朝に単身で砂漠の縦断に挑んでいる商人を見つけたウルフン達が、空腹と欲求不満に任せて男へ襲いかかり、好き勝手になぶり殺してしまったらしい。
「今回遭遇するウルフンは6体。1体たりとも逃さずに倒してね。悲劇を回避できなくなるから」
ウルフン達は皆一様に、ロデオグラップルとヴォイドスクラッチで攻撃してくる。
ヴォイドスクラッチは被害が1人に留まらない可能性があるため、注意して欲しい。
「ウルフン達は砂漠の西側の放棄領域からやってくるはずだよ」
今回、予め商人の避難を促すなどの対策については、行わない方が良い。
ウルフン達は人間の男を狙っていてハナも効く為、人間の男が移動した結果、予定の襲撃を取りやめて、代わりに避難先を襲撃してしまう可能性が出るからだ。
「だから、今回の場合は商人を守りながらの戦いになると思う。少し大変かもしれないけど、オレもついてくから一緒に頑張ろうねー」
そう締め括ると、ゼオンは心なしか真剣な面持ちで同席者達を激励した。
「シャルムーンのマスカレイドに新たな指導者が現れの可能性もある。ピュアリィ達の行動は組織的ではなさそうだけれど、注意は必要だろうね……」
あ、でも、ちゃんと討伐さえできたら、戦闘中はある程度好きにしても構わないと思うよ?
――余計なひと言をつけるのは忘れないゼオンであった。
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