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 広島への原爆投下から69年を迎えた6日午前(日本時間同日夜)、南米ブラジルでも犠牲者追悼の法要が執り行われた。だが、参加した被爆者は111人中わずか10人。みな高齢となり健康面の不安を抱えるが、医療費助成の上限など、海外の被爆者にだけ設けられた制約は残ったまま。「国内の被爆者と同等の支援を」という長年の願いは切実さを増している。

 「来年は被爆70年。一層努力します」。サンパウロ市内の西本願寺であった法要で、ブラジル被爆者平和協会の森田隆会長(90)は誓った。

 森田さんは、ブラジルの被爆者支援を求めて1984年に協会を立ち上げ、数々の裁判を通じて、健康管理手当や医療の助成などを勝ち取ってきた。だが、「必要な医療をいつでも安心して受けたいという当初の願いは今もかなえられていない」と話す。