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 被爆者に地域単位で寄り添ってきた被団協が岐路に立たされている。69年前の原爆投下で被爆した人が高齢になり、活動に関われなくなるケースも。運営の中心となる事務局長が被爆時を直接知らないという被団協もある。被爆者とどう向き合い、体験を継承していけばいいのか。被爆70年へ模索が続く。

 「雨のなかで祈るたくさんの人たち。新たな気持ちになれました」。広島市の平和記念公園で原爆犠牲者の追悼と平和を願う式典があった6日朝、山岡直文さん(68)は言った。

 広島への原爆投下時、山岡さんは被爆した母のおなかの中にいた。「最も若い被爆者」と言われる胎内被爆者だ。会社の定年退職を機に、現在住む福井県の被団協(原爆被害者団体協議会、約70人)の活動に加わった。4月に前会長(86)が体調を崩し、山岡さんが引き継いだ。