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スパコン「京」で創薬成功…東大など がん新薬候補物質
東京大と富士通、製薬会社の興和は、理化学研究所の世界最速級のスーパーコンピューター「
「IT創薬」と呼ばれる方法で、高い治療効果が見込める薬を効率的に作る新たな技術として注目される。
研究チームは、がん細胞の表面にある増殖に重要な役割を果たすたんぱく質に着目。たんぱく質の「鍵穴」に「鍵」のように入り込み、細胞増殖を抑える化学物質をスパコンで設計した。たんぱく質と化学物質が引き合う力や体内の水分の影響など複雑な計算を、スパコンを使うことで精密に行うことが可能になった。
スパコンでの化学物質の設計は富士通が担当。興和が実際に化学的に合成できるか検証した。東大は設計方法の改良などを担った。
8個の化学物質を合成し、そのうち1個が、たんぱく質と実際に強く結びつくことが確かめられた。従来は、10万種類以上もの既知の化学物質の中から、鍵穴にぴったりの物質を探す方法が主流だったが、スパコンを活用することで全く新しい未知の構造の化学物質を設計して検証することができる。
児玉龍彦・東大教授は「異分野の力を結集することが、これからの創薬には重要だ」と話す。
(2014年8月7日 読売新聞)
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