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早過ぎたニューウェイブリバイバリストの5年ぶりとなる新作『OUT OF BLUE』

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APOGEE復活インタビュー 活動再開と、時代を射抜く傑作を語る

インタビュー・テキスト:金子厚武 撮影:柏井万作(2014/08/07)

復活後2度目のライブとなった4月の渋谷クアトロでのワンマンも大盛況で終えたAPOGEE。その日のアンコールでは、メンバーの内垣洋祐と間野航がそれぞれ医学系の大学院、医学部に進むことが発表されるというサプライズもあったが、それは現在の「プラットフォームとしてのAPOGEE」をより明確にするものであり、今の時代のバンドのあり方を体現するという意味でも、非常に印象的な出来事であった。そして、そんなAPOGEEから実に5年ぶりとなる新作『OUT OF BLUE』が到着。時代を射抜く、文句なしの傑作だ。 そもそもAPOGEEというバンドは、見え方としては早過ぎたニューウェイブリバイバリストであり、ブラックミュージックの要素も強く持ち合わせる、シーンの異端児的な存在であった。しかし、彼らが実質的な活動休止状態にある中、やや大げさに言うならば、時代が彼らの後を追いかけ、気づけばAPOGEEの音楽性は時代の音となっていたのである。本作の登場によって、海外シーンとの関係性、さらには日本の若手との関係性が更新され、新たな流れが生まれるであろうことが本当に楽しみだ。前回の永野亮の単独インタビューに続き、今回はAPOGEEサウンドのキーマンであるシンセサイザー担当の大城嘉彦も迎え、バンドの音楽的な根幹に迫った。

PROFILE

APOGEE(あぽじー)
2003年結成、メンバーは永野亮(Vo. & G.)、間野航(Dr. & Cho.)、大城嘉彦(Syn. & G.)、内垣洋祐(Ba. & Cho.)。2006年にSingle『夜間飛行』でデビュー以降、『Fantastic』『Touch in Light』『夢幻タワー』と3枚のAlbumを発表。徹底的に作り抜かれた無駄のないスリーピースと圧倒的な存在感を放つシンセサイザーの音色に、純粋に美しい歌声とメロディが創り出すユニークなサウンドは、ロックという形だけにとどまらない普遍的な「歌」としての心地よさをも併せ持つ。ニューウェーブ等80年代音楽の色濃い影響を受けながらも、ブラックミュージックやエレクトロニカを含めた数多くの音楽要素をハイブリッドさせた彼らの音楽は現在も多くの人々から支持されている。
apogeepoint

3枚目を作ってる頃は、APOGEEに足りないものばっかり指折り数えちゃって、それで辛くなっちゃったんですよ。(大城)

―前回は永野さんお一人に取材をさせていただいて、一時はバンドを離れたくなったけど、ソロ活動などを経て、再びAPOGEEに戻ってきたことを話していただきました。大城さんにとって、あの活動休止はどういったものだったんでしょう?

大城(Syn,Gt):2003年ぐらいからずっとAPOGEEを軸に走ってきて、メジャーからの3枚目のアルバム(2009年)が出たころにはもう、音楽的にこじらせきったなって(笑)。それで、「もうこれ以上こじらせられないな」と思って、APOGEEから離れたくなりましたね。

―なんでこじらせちゃったんでしょう?

大城:やっぱりメジャーでやってると、それなりの成果を期待されるじゃないですか? 3枚目を作ってる頃は、APOGEEに足りないものばっかり指折り数えちゃって、それで辛くなっちゃったんですよ。持ってるものじゃなくて、足りないものを数えて、「これもない、これもない……ウワー!」ってなって(笑)。でも、一旦ブレイクして、もう1回新鮮な耳で昔のAPOGEEを聴くと、いいところがいっぱいあったんです。だからこれからは、持ってるものを数えてやっていきたいなって思ってます。

大城嘉彦
大城嘉彦

―永野さんから「もう1回APOGEEをやろうと思う」っていう連絡が来たときは、どう思いましたか?

大城:それ以前に、ドラムの間野くんとはたまに会ってて、「APOGEEどうするよ?」って話はしてたんです。やりたい気持ちはもちろんあって、でも自分から言い出すまでには気持ちが高まってなかったんですよね。

―周りからは、「再開して!」って結構言われたんじゃないですか?

大城:言ってもらいましたね。まあみんな軽い気持ちで言うんですけど、10人に1人ぐらいは重い感じで「ホントにやってくれ」って人もいたり、酔っ払った人から「なんでやんねえんだよ!」って脅迫されたこともあったり(笑)。そういう中、リーダーの永野くんがやる気になったことで、もう1回やれるんじゃないかって思いましたね。

―代官山UNITでの復活ライブについてはいかがでしたか?

大城:あれは……緊張しましたね(笑)。硬かったですよ、やっぱり。お客さんも異様なテンションで……。「ウォー!」って盛り上がるんじゃなくて、「ジー」って見てくるっていう(笑)。

永野(Vo, Gt):この前の渋谷クアトロは復帰2回目のライブだったから、僕らもお客さんも感覚が戻ってきて、「これこれ」って感じでやれましたね。




バンドを続けて行くために、いろんな形があるじゃないですか? それにお客さんもきっと、APPOGEEの活動が途絶えなければ納得してくれるんじゃないかなと思って。(永野)

―そのクアトロのライブで、内垣さん(Ba)と間野さんがそれぞれ医学系の大学院、医学部に進むことを発表されたのにはびっくりしました。

永野:もうね……復活を決めて何度かリハーサルに入った後に、二人からその話を聞かされて、どうしようかと思いました(笑)。そのときはまだ受かるかどうかもわからなかったので、取りあえず放っておいたんですけど、二人ともめでたく合格して(笑)。

―それでも関係なく、バンドを再始動したわけですよね。

永野:バンドを続けて行くために、いろんな形があるじゃないですか? それにお客さんもきっと、APOGEEの活動が途絶えなければ納得してくれるんじゃないかなと思って、素直に報告することにしました。

永野亮
永野亮

―永野さんと大城さんにしても、それぞれの活動がある中で、その中のひとつとしてAPOGEEがある。今はそうやって成り立ってるわけですもんね。

永野:さっきオッシー(大城)が上手いこと言ってましたけど、ないものねだりからあるものに、減点法から加点法に、という感じになってるから、ちょうどいいんじゃないかなと思いますね。昔はお互いのすべてをAPOGEEにぶつけてたんで、もうしっちゃかめっちゃかになってたんで(笑)。

―それでこじらせきったと(笑)。

永野:またいろんなフェーズでバランスは変わっていくと思うんですけど、今はちょうどいい状態だと思います。

―でもホント、いろんな意味で面白いバンドですよね(笑)。

永野:この間スタジオで学割が使えるって発見しまして、学割が使えるようになるという事実にテンションが上がりました(笑)。


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