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 「じいちゃんの苦しみがあったから、今の自分がいる」。各都道府県の遺族代表のうち最も若い落合麿貴(まき)さん(27)=鹿児島県薩摩川内市=は、2012年に86歳で亡くなった祖父・達郎さんを思い起こしながら広島の平和記念式典に臨んだ。

 20歳になって祖父が被爆者だと知った。母との雑談の中で「じいちゃんは被爆者?」と聞くと「そうよ。あんたは被爆3世」と言われた。遠くのことのように感じていた原爆が急に迫ってくる恐怖を感じた。

 ――陸軍船舶工兵部隊にいた19歳のころ、原爆が落とされたばかりの広島で遺体を収容したり負傷者を救護したりした。山積みになった真っ黒な死体より、戦争で気が狂った生きた人間のほうが怖かった――