高精度の雨雲予測システム公開へ 気象庁8月6日 17時15分
現在の雨の強さや30分先までの雨雲の動きを、250メートル四方ごとに予測して地図上に表示する気象庁の新たなシステムが7日からホームページなどで公開されます。精度はこれまでの16倍に向上するということで、気象庁は「予測が難しい局地的に降る激しい雨への対策などに役立ててほしい」としています。
気象庁は現在、全国に20か所あるレーダーによる観測やおよそ1300か所の雨量計のデータをもとに、現在の雨の強さや1時間先までの雨雲の予想をホームページで公開していますが、予測や表示は1キロ四方ごとで、激しい雨を降らせる急激に発達する雨雲を正確に予測できないなどの課題がありました。
このため、国土交通省のレーダーや自治体などが設置しているおよそ9000か所の雨量計のデータなどを新たに活用し、システムを大幅に改良して7日からホームページで公開することになりました。
新たなシステムは現在の16倍の精度で、現在降っている雨の強さや今後予想される雨雲の動きを250メートル四方ごとに地図上に表示します。さらに、システムでは、30分先までの5分ごとの雨雲の動きを250メートルごとに予測し、その結果を地図に表示することができます。
地図を拡大すると市町村や区などの地名が表示され、発達した雨雲がどこにかかっているかや、今後どの方向へ移っていくと予想されるかをより詳しく確認することができ、事前の備えにつながると期待されています。
気象庁によりますと、先月24日に東京都内などで急激に発達し、非常に激しい雨を降らせた雨雲について検証したところ、東京・世田谷区などのごく限られた範囲にかかっていた猛烈な雨を降らせるおそれのある発達した雨雲が、30分後には南東の方向へ移動する様子を予測できたということです。
新たなシステムは、7日午後1時から気象庁のホームページやスマートフォンでも公開されるということで、スマートフォンではGPSの機能を使うと、自分がいる場所を地図上に表示することもできるということです。
気象庁の西嶋信主任予報官は「このシステムを使うことで急激に発達する雨雲の動きを少しでも早くつかむことができる。さらにスマートフォンを使えば外出先でも確認できるので、安全を確保するために役立ててほしい」と話しています。
猛烈な雨は増加傾向
気象庁によりますと、1時間に80ミリ以上の猛烈な雨が降る回数は増える傾向にあります。
気象庁が全国の1000の観測地点当たりで、1時間に80ミリ以上の猛烈な雨が降った回数を調べたところ、1980年までの5年間では平均で1年間に12回でしたが、去年までの5年間では平均で1年間に18回と、この30年余りで1.5倍になりました。
また、1時間に50ミリ以上の非常に激しい雨が降った回数も、1980年までの5年間では、平均で1年間に183回だったのに対して、去年までの5年間では平均で234回と1.3倍に増えています。
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