【CSR】住友林業「日本の林業は活性化できる」
オルタナ 8月4日(月)16時40分配信
住友林業の創業は1691年(元禄4年)と320余年の歴史を誇る。日本の林業の草分けでもあり、江戸時代から一貫して、日本の山林整備を牽引してきた。CSRの原点は愛媛県新居浜市の別子銅山の荒れ果てた山を復元することから始まった。今、日本中で山林の荒廃が懸念されているなか、現在の林業の状況と今後の見通しを、同社山林環境本部の安藤祥一・環境・エネルギー部長と長谷川香織・山林部長に聞いた。(聞き手は編集委員・高馬卓史)
|
|
| 現在の別子山 |
◆「列状間伐」が日本には向いている
――日本の場合、森林を持続可能にするための間伐が進んでおらず、山が荒れています。間伐材の利用促進も課題ですね。
安藤:新居浜市に新居浜山林事務所があって、2010年、市内にある住友共同電力に出荷するため、林地残材(山林に放置される間伐材など)の集荷を始めました。
2011〜2013年に、年間1万〜1万5千トン程度を供給しました。同時期に住友大阪セメントに、同じ地域の高知県側の材木を供給しています。
――新居浜の山は、かなり急峻ですが、どのように切り出した丸太を運ぶのでしょうか。
安藤:愛媛県は、山が急峻なので、架線(ケーブル)を張って、丸太を出します。たいていは、架線に移動式の機械を積んで、丸太を運搬しています。
四国の社有林では、伐期に達した箇所も多く、「小面積皆伐」というやり方も推進しています。
|
|
| 荒れた別子山(画像は住友史料館蔵) |
「定性間伐」と「定量間伐」という方法があって、「定性間伐」は、山に入ってどういう木を残すか、一本一歩見ながらしるしを付けて、選んで伐っていくやり方です。
最近では定量間伐の一つである「列状間伐」という、間隔を決めて列状に伐採する方法も行われています。このような決めた場所の木はすべて、一律に切っていくやり方が、「小規模皆伐」の考え方の基礎になっています。これだと、わりと丸太を山から出しやすいのです。
山道が通っていれば、選んで伐っていくという「定性間伐」が可能ですが、山道がない場合は、「列状間伐」の方が有効です。北海道などは列状間伐を採用しています。当社はこの二つの間伐方法を組み合わせています。
最終更新:8月5日(火)20時9分
記事提供社からのご案内(外部サイト)
|
農水省がおかしい――TPP、ネオニコ、GMO |
読み込み中…