舞台『鳳仙花』、演出に元慰安婦がかみつく

「一部内容が日本の論理に逆利用される懸念」

 「ナヌムの家」のほか、同じく京畿道広州市にある「日本軍慰安婦歴史館」と「国際平和人権センター」は2日、プレスリリースで「元慰安婦たちは『慰安所は人が暮らす所ではなく、人をほふる屠殺(とさつ)場だ』(李玉善さん)、『慰安所の生活ではイヌよりひどい扱いを受けた。今もあのころのことを思うと胸がつぶれる思いだ」(姜日出さん)、「慰安所生活は苦しく、差別と旧日本軍兵士の殴打のため自殺を試みたが、仲間たちに助けられて命拾いした」(金君子〈キム・グンジャ〉さん)とはっきり証言している。元慰安婦たちの証言を損なう可能性がある舞台公演なので間違っている部分を訂正してほしい」と要求した。

 「ナヌムの家」側は「元慰安婦たちが戦場で受けた苦痛をそのように描写するのは、ややもすると日本により悪用される可能性がある。特に、韓国語が分からず、韓国の歴史的背景について理解できていない外国人が見れば、誤解を招く可能性は十分で、問題がある」と指摘した。

 しかし、劇団側は「舞台『鳳仙花』のモチーフはフィリピンでの例だ。旧日本軍が支給した軍票は全て紙くずのように意味のないものになったことを表現している。日本の伝統衣装を着てお金をばらまくシーンは、歴史的事実に基づいており、芝居を通じて当時の慰安婦たちの苦痛を伝えるためのもの」と説明した。

 また「世宗文化会館は、初演時に『ナヌムの家』側や元慰安婦たちから公演内容の変更要求を全く受けていない。『ナヌムの家』は『鳳仙花』初演時に公式後援団体として名を連ねており、観客からの寄付金などに対し昨年12月、世宗文化会館側に感謝状も贈っている」と反発した。

 これに対し「ナヌムの家」側は「世宗文化会館のキム・ヘリョン団長側が『本公演終了後、アンコール公演を開始する』と述べて「ナヌムの家」に後援を求めてきたが、元慰安婦の反発があったため断った」と、初演以降、例のシーンが問題になっていたことを示唆した。

 その上で「元慰安婦たちは平均89歳と高齢ながら、今も世界中を巡って日本の戦争犯罪を告発し、日本政府の正式な謝罪を要求している。元慰安婦たちが要求する人権回復活動に逆行する舞台公演が、今からでも共感できる舞台公演になるよう願っている」とコメントした。

ニューヨーク=ノ・チャンヒョン特派員
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