首都圏ネットワーク

7月16日放送
眠れる資産「古本」で寄付を 広がる新しい取り組み

首都圏放送センター 田中 清高
首都圏放送センター
田中 清高
「994億円」。
これは何の金額か、分かりますか?。
実は環境省が調べた数字で、おととし1年間に全国で売れた古本の金額です。
どの家にもある、もう読まない本。
この眠れる資産、古本を寄付に有効活用しようという取り組みが広がっています。
JR国立駅です。
8年前に高架化の工事が始まるまで、ここには別の駅舎が建っていました。
以前の駅舎です。
大正時代に建てられた赤い三角屋根が特徴で、街のシンボルとして市民に親しまれていました。
今、この三角屋根を復活させる計画が進行中です。

国立市が費用集めの手段の一つとして呼びかけているのが、古本を使った寄付です。
その仕組みです。
古本を持っている人が、インターネットを通じて買い取り業者に連絡します。
宅配業者によって回収された古本を、買い取り業者が査定。
通常、古本の所有者に支払われる買い取り額が、指定された団体に寄付されます。
買い取り業者は、古本を転売して利益を出す仕組みです
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呼びかけから1か月で、105人から16万円の寄付が集まりました。
担当者は、予想以上の反響に、手応えを感じています。
国立市政策経営課の黒澤重徳課長は「思った以上の反響があった。
PRをして多くの方にこの取り組みを知ってもらえれば,もっともっと寄付してもらえると思う」と期待を寄せています。
大手の本の買い取り業者によりますと、古本を使った寄付が広がり始めたのは6年ほど前。
今ではNPOや大学など多くの団体が利用し、寄付の額も年々増えています。
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都内のIT関連企業に勤める鳥居恵子さんです。
趣味は読書で、1週間に1冊のペースで小説を読んでいます。
「新しいのをどんどん買うので、たまってしまいます」。
これまで本棚がいっぱいになると、読み終えた本は捨てていました。
会社の呼びかけで、古本を使った寄付があると知った鳥居さん。
いらなくなった本で、手軽に社会貢献できることに魅力を感じたと言います。
鳥井さんは「なかなか寄付ってしづらいので、不要になったものを引き取ってもらい、寄付に回してもらえるというのは、こちらもハッピーな気持ちにもなるし、有効に活用してもらえれば、お互いにいいのかなと思った」と、この仕組みを歓迎しています。
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今回、鳥居さんが寄付をしたのは、犯罪被害者の支援に取り組むNPOです。
4年前から古本による寄付を取り入れ、これまでにおよそ1500人から330万円が集まりました。
今では欠かせない収入源の一つになっています。
全国被害者支援ネットワークの後藤峰登事務局長は「寄付をしてくれる会員の方が、1人入ってもらうことも大変なのに、これだけ人数の方が寄付してくれたと思うと、すごく大きな数字です」と手応えを感じています。
大手の本の買い取り業者の調査によりますと、日本人1人当たりが所有する本は356冊。
このうち3分の1が、読まれずに眠ったままとなっています。
日本人の寄付について研究している専門家は、こうしたリサイクルを活用した寄付は受け入れられやすく、今後、さらに広がっていくと考えています。
日本ファンドレイジング協会の徳永洋子事務局長は「日本人はもともとすごく物を大事にする人たちです。“もったいない”なんて言って。それが、もし世の中のために役立つと気付くと、今度はそれが全然惜しくない、自分もやってみようということで、寄付につなげていくのではないかと思う」と分析しています。

こうした古本を使った寄付は、主に本の買い取り業者が、ホームページに寄付できる団体の一覧を載せる形で行っています。
買い取り業者では、事前に寄付を希望するNPOなどの団体と面談し、活動内容を確認したうえでホームページに掲載しているということです。

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