笹井氏自殺:小保方氏をかばい続け

毎日新聞 2014年08月06日 07時00分(最終更新 08月06日 08時24分)

理化学研究所発生・再生科学総合研究センターの笹井芳樹副センター長=東京都千代田区で2014年4月16日、梅村直承撮影
理化学研究所発生・再生科学総合研究センターの笹井芳樹副センター長=東京都千代田区で2014年4月16日、梅村直承撮影

 自らの研究室のある建物で自殺した理化学研究所発生・再生科学総合研究センター(CDB)の笹井芳樹副センター長(52)。笹井副センター長は、STAP細胞論文の疑義が浮上して以降、毎日新聞からのメールの質問に回答する中で、STAP細胞の存在への確信を語るとともに、一貫して小保方(おぼかた)晴子・理研研究ユニットリーダー(30)をかばい続けていた。

 笹井氏は、論文の疑義の発覚後は、4月の記者会見以外は対面の取材に応じていない。5日の理研の記者会見でも「体調が悪く(取材は)断りたい」と話していたことが明らかにされた。

 笹井氏は3月29日のメールで、STAP細胞の存在について「STAP現象そのものはリアルなものだと思っています。自分の目が確信したものを『ない』ということは、研究者である限り、できません」と述べた。

 小保方氏に対しては「たしかに実験面での天才性と、それに不釣り合いな非実験面での未熟さ・不注意さが混在したと思いますが、(中略)研究を良心的に進めていたことを否定するのはアンフェア(不公平)だと思います」(3月13日)などとかばった。

 また、3月29日のメールの追伸で「今回の件が、私の研究者人生に大きな打撃を与えたのは間違いないでしょう」と述べていた。7月中旬のメールでは、撤回された論文の疑惑に対する質問に回答したうえで、「撤回してしまったあとは、何を言ってももはや仕方ないとも思います」とつづった。【須田桃子】

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