弘前ねぷた:まつり中止…山車昇降機に挟まれ男性死亡

毎日新聞 2014年08月06日 09時45分(最終更新 08月06日 11時30分)

死亡事故が起きたねぷたを現場検証する青森県警弘前署員=2014年8月6日、松山彦蔵撮影
死亡事故が起きたねぷたを現場検証する青森県警弘前署員=2014年8月6日、松山彦蔵撮影
「弘前ねぷたまつり」1日の様子=2014年8月1日
「弘前ねぷたまつり」1日の様子=2014年8月1日

 5日夜、青森県弘前市で開催中の「弘前ねぷたまつり」のねぷた(山車)内の昇降機に男性が挟まれて死亡する事故があり、祭りを主催する同市や弘前商工会議所などは6日、7日までの予定だったまつりの中止を決めた。市によると、事故によるまつりの中止は1958年にねぷたの合同運行が始まって以来初めて。

 県警弘前署や、弘前地区消防事務組合などによると、5日午後8時35分ごろ、参加していた40代の男性が、運行準備中のねぷた(高さ7.7メートル、幅7.1メートル)の昇降機の点検口に身を乗り出したところ、昇降機が何らかの理由で動き、首と左わき下をはさまれたという。救急隊員が死亡を確認した。弘前署が業務上過失致死の疑いで関係者から事情を聴いている。昇降機は、ねぷたの高さを調節するために取り付けられている。

 まつりは今月1〜7日の日程で予定されていたが、5日の事故のため途中で打ち切った。

 弘前ねぷたまつりは、武者の絵などが描かれた扇形の灯籠(とうろう)を乗せた山車が市内を練り歩くまつり。国重要無形民俗文化財で、例年百数十万人の観光客が訪れる。弘前市の葛西憲之市長は記者会見し、「弘前を代表する祭りで、市民1人の命が失われたことを重く受け止めて中止を決めた」と語った。【松山彦蔵、石灘早紀】

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