国土交通省が5日公表した交通政策基本計画の中間とりまとめ案では、国内の移動を便利にする目標も掲げた。代表例が東日本旅客鉄道(JR東日本)の「スイカ」などの交通系ICカードを使えない地域の解消だ。
スイカや首都圏大手私鉄の「パスモ」など10種類の交通系ICカードは、2013年3月から相互利用が可能になった。だが、青森など12県では、13年度末時点で相互利用できるICカードが導入されていない。
国交省は鉄道会社への補助などを通じてICカード対応の設備投資を促し、20年度までにすべての都道府県で使えるようにする。地域ごとに利用範囲が限られたICカードの不便さがようやく解消することになる。
人口減や高齢化社会に対応した取り組みも進める。柱は鉄道駅などのバリアフリー化だ。乗客の線路への転落を防ぐホームドアの設置数は20年度に800駅と13年度比37%増やす。主要な鉄道駅の段差解消率は82%から100%に引き上げる。
バリアフリーの推進は、20年の東京五輪・パラリンピックで多くの外国人客を受け入れるうえでも不可欠な取り組みと国交省はみる。
東日本旅客鉄道、ICカード、スイカ