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2010/09/18

101人プレシア(リリなの単発)

「ずっと一緒よ、アリシア・・・」

 虚数空間内を落ちて行く女性と、カプセルの様な物に入った少女。
 かつて大魔導師とまで言われた存在にしてプロジェクトFを完成させたプレシア・テスタロッサと、遠い昔に死んでしまったプレシアの娘のアリシアだ。
 ジュエルシードを用いて虚数空間を開き、その向こうにあるという伝説の世界アルハザードへ至ろうとした結果が、ただ虚数空間を漂い続けるという今の状況だった。
 プレシアも内心では辿り着ける訳が無いとわかっていた。それでも、何もせずにはいらえなかった。それほどまでに娘のアリシアを愛していたのだった。
 だが、その夢も潰えた。プレシアはもう、アリシアと共にこの何も無い世界を漂い続けて死んでしまう事を許容していた。

 ところで、虚数空間についてこんな説がある。
 世界と世界は次元空間にて繋がっているが、虚数空間も同じ様に何処かへ繋がっているのではないかというものだ。
 勿論この場合の何処かとはアルハザード等という曖昧なものではない。一応最も可能性が高いと言われているのは、平行次元と呼ばれる『大なり小なりの違いはあれど異なる歴史過程を辿った次元』の事だ。
 そして、その節が正しかった場合はどういう事が発生するか。

 その答えが今、明かされた。

「・・・えっ?ちょ、何なのよこれ!?」
「何!?また!?また増えたの!?」
「はぁ、これで何人目かしら・・・30人までは数えてたけれど」
「あぁ、私もいっぱいだけどアリシアもいっぱい・・・」
「これで丁度100人ね。3桁の大台よ」
「もうどうでもいいから死んでしまいたいわ・・・」

 一つの世界で虚数空間に飛び込んだ存在が居たならば、平行次元でも虚数空間に飛び込んだ存在が居るという事。
 その結果が100人のプレシア&アリシアという事だ。

「これは・・・まさか、平行次元の私達!?」
「その思考は私が既に1時間前に通った道よ」
「その発言も私が既に5時間前に通った道ね」
「その発言も(ry」
「その(ry」
(ry

 そしてある程度人数が増え、プレシア軍団が拡張すると最終的に何処かの世界に漂着するのである。
 
 
 
「一緒に行きましょうアリシ・・・って、えっ」
「母さ・・・えっ」
「くっ!?もう限界だ!全員脱出・・・えっ」
「フェイト・・・えっ」
「フェイトちゃ・・・えっ」
「みんな早く・・・えっ」

 とある世界において、のちにPT事件と呼ばれるプレシア・テスタロッサの戦いが佳境を迎えていた。平行次元の歴史通りだと、後は虚数空間に落ちて行くだけである。
 しかし、この世界のプレシアにはそれが出来なかった。タイミングを逃した訳でもなく、飛び込む勇気が無かった訳でもない。物理的な意味で飛び込めなかったのだ。
 何故なら、平行次元のプレシア&アリシア軍団が落ちていけるスペースを塞ぎつつこの世界に漂着しようとしていたからである。

「あら、時の庭園ね」
「やっぱり地に足が着くっていいわねぇ」
「浮いていたものね。物理的にも精神的にも」
「そんな事より、結局アルハザードには辿り着けなかったわけね・・・」
「私達と一緒にジュエルシードも大量にあるし、願えば何とかなるんじゃないかしら?」
「そんなの次元断層が起きるだけでしょ」
「もうどうでもいいわ・・・私はもうアリシアと一緒に眠りにつきたいのよ」

 ガヤガヤとそれぞれが勝手気ままに喋りながら、自らのアリシアが入ったカプセルを確保して一息ついている。カオスだ。
 母さん大好きなフェイトに至っては「母さんが1人、母さんが2人・・・あれ、私の母さんは・・・」と何かが壊れかけている。

 こうして、それぞれ大なり小なりの違いを持つプレシアが世界に漂着してしまったその影響により、この世界は凄まじい変化を強要される事となる。
 しかし、その事を知る者は未だ誰も存在していなかった。

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