救命少女リリカルなのセイバー(リリなの×ナノセイバー)
※前半部分は変化が無い為省略
『誰か!僕の声が聞こえますか!?』
夜遅い時間帯、翌日も学校がある為早々に眠っていたなのはに大きな声が響き渡った。
突然の声になのはは驚いて飛び起きる。ふと周囲を見渡すが自室の中には自分以外の誰もいる筈も無く、一体何なんだろうかと首を傾げた。
『誰か!力を貸してください!!』
再び聞こえてくる声。その声は耳ではなく、まるで脳に直接語りかける様な不思議な感覚で聞こえてきていた。
これは一体何なんだろうと困惑しながらも、しかしその切羽詰っている声が心配になり、難しい事を考えるのは後にして話しかけてみることにした。
どうすれば同じ様に離せるのかはまるで判らないが、その辺りは感覚で。
『えっと、聞こえますか?』
『通じた!?お願いします!力を貸してください!』
『にゃ!?え、えっとちょっと待ってて!!』
あっさりと通じた事に驚きながらも、とりあえず急いで外出の準備をして家族にバレない様に家を飛び出す。
何処へ行けばいいのかは判らないがなのはは走り続ける。何となく感覚で『こっちに何かがある、こっちにこの声の子が居る』のを感じ取っているのだろう。
そのまま息を切らしながら走り続けると、目に入ってきたのは数時間前にフェレットを預けた動物病院。それの半壊している姿。
これは一体どういう事なのかと呆然としているなのはに、一つの影が飛び込んできた。
それは、件のフェレット。
「来てくれてありがとうございます!」
「フェ、フェレットが喋った!?」
脳内に響く声に喋る小動物。
何これ魔法少女モノのアニメみたいと混乱した頭の一部で冷静?に思考していたなのはだったが、瓦礫を吹き飛ばす様な音と何か巨大なものが着地する音が聞こえ、そちらに視線をやった。
なのははすぐさま後悔した。何故ならそこに存在したのは、明らかに地球上に存在していない様な、まさしく魔法でも使わなければ倒せないような異形。
一瞬思考が完全に凍り付いてしまったが、その異形の化け物がこちらを見た瞬間に意識を取り戻し、大急ぎで逃走を開始した。
「な、なにあれ!?どうなってるの!?」
「お願いします!ジュエルシードを止める為に力を貸してください!魔法の力を!」
「ま、魔法!?」
うわ本当に魔法だったんだ等と考えながらも展開は進んでいく。
なんとなのはには魔法の力があるらしく、レイジングハートというデバイス?を受け取り、それであの異形を倒して欲しいという事。
普通の子供だったら泣き叫んで無理だと言いそうな事態だが、なのはは生憎普通の子供ではなかったらしく、混乱しながらもデバイスの起動パスワードをフェレットに続いて詠唱し始めた。
「『我、使命を受けし者也---』」
「えっと、『我、使命を受けし者也---』」
そして起動するレイジングハートと体中からあふれ出す膨大な魔力。
そのままバリアジャケットと呼ばれる防護服を展開し、魔法を用いて何とかジュエルシードモンスターを倒す事が出来た。
ふぅっと気を抜いて溜息を漏らしたなのは。しかし正史ではこの後封印するだけだったのだが、今回は此処からが本番である。
「まだ終わってません!あの暴走体の体内に侵入してジュエルシードと寄り代を切り離して封印しなくちゃいけないんです!」
「え?えっと、体内って・・・」
「今回は生物が寄り代じゃないみたいなので危険は殆どありません」
いくらあの化け物が大きいと言っても、流石に人間が突っ込んで中を探し回れる程大きくは無い。
そう思って聞いてみるも、「外部刺激では封印出来ないんです」とズレた答えが返ってきた。どうすればいいんだ。
「LSTRシステム展開。バーチャル人体構築・・・よし!僕が外からオペレートしますのでお願いします!レイジングハート!」
【All right.Saver mode】
「にゃあああ!?」
フェレットが何やら魔法を使ったかと思えば突如レイジングハートが光を発し、まるで自分の意識が二つある様な感覚に襲われる。
否、意識が二つある。それどころか、五感すら二つ存在している。
一つはさっきまで居た所と同じ、半壊した動物病院の近く。
そしてもう一つは---壁に青い光を放つラインが走っている奇妙な通路。
『な、なにこれぇ!?』
「暴走体の体内にLSTRというシステムを用いて作り上げた仮想人体を作り出して、その仮想人体と貴女の意識をレイジングハートを中継して接続しました」
何の事だかさっぱり判らないが、とりあえずあの動かなくなった化け物の中に入ったんだとなのはは理解した。
「魔力がラインを流れているのが判りますか?」
『あ、うん、多分これかな。目の前の方から光が流れてきてるの』
「恐らくその先にジュエルシードが存在します!先へ進んで封印して下さい!」
『よくわからないけどわかったの!』
そしてなのはは良くわからないまま展開に流されつつ行動を開始。
・・・これが、後にナノセイバー史上最も活躍を上げるエースオブエース『高町なのは』の初仕事だった。
この作品で初めてタイトル知った。
懐かしいなぁ
投稿 | 2010/06/16 18:13