最大の敵は・・・(リリなのオリ主)
「間違えて死なせちゃったからオマケ付きで10歳の子として異世界転生な」
「おk」
何故俺は、この時大人しく成仏する事を選ばなかったのだろうか。
何故俺は、自称・神がこうも軽々しく俺を転生させた事を怪しまなかったのだろうか。
何故俺は、「転生キタコレ!これで俺もオリ主!」なんて馬鹿げた事を考えていたのだろうか。
「くっそ!しつこい!」
10歳の子供に転生させられた瞬間から、俺は世界に命を狙われるようになった。
世界の修正力というものだろうか。俺はこの世界では異物なのだろうか。
ここが何の世界なのかは理解している。科学的な魔法が存在する世界―――リリカルなのはの世界だ。
現に、今俺は謎の魔導師に襲われているのだから。
「『防壁』!『縛り』!『吹き飛べ』!」
神から与えられたオマケ…言霊とでも言うべき力を使って今まで生き残って来たが、限界が近い。
徐々に俺を襲う危機のレベルが上がってきているのだ。今相手をしている魔導師も、山をふっ飛ばす様な魔法を使ってくる程だ。
どれだけの一般人が巻き込まれて死んだのだろう。やはり、俺のせいなのだろうか。
「『落ちろ』!『潰れろ』!さっさと『死ね』ぇ!!」
2時間以上にも渡る長い戦いの末、ようやく今回の敵を討ち滅ぼす事が出来た。
身体はもうガタガタ、魔力も少なく、散々言霊を叫んだお陰で喉も痛くてたまらない。
疲れた身体を休める為に、俺は唯一安らげる場所へと傷だらけのまま向かった。
辿り着いた場所はとある家。ここには俺の幼なじみであるアリシア・テスタロッサが住んでいる場所だ。
そう、唯一安らげる場所とは、近くに原作キャラがいる場所だ。
原作キャラならば恐らく殺しにかかっては来ないだろうし、戦いに巻き込まれるのを恐れて敵も送られない筈だからだ。
そう言えば最近母親のプレシアの研究が忙しいらしく、アリシアは寂しがっていたな。
そろそろヒュードラが作られるのだろうか。
「『修復』…よし。アリシアー!」
服や傷を修復して家の中に入る。
ちなみに服は簡単に直せるが、傷などに関しては表面上しか治すことは出来ない。
チート能力にも限界があるという事だろう。
「アリシア?」
ドアを開けて玄関に入ると、手を後ろで組んで顔を俯かせたアリシアが立っていた。
なんだ?どうしたんだ?
「おい、アリシ―――」
「…えへへ。えい」
たたたっと駆け寄ってきたアリシアが俺の胸の中に飛び込んできたので抱き止める。
―――しかし、飛び込んできたのはアリシアだけではなかった。
「な、に…」
「えへへ…えへへへへへへ…あははははははははははははは」
胸元には俺に突き刺さったナイフ。握っているのはアリシア。
後ろで組んでいたと思っていた手は、ナイフを握っていたのだ。
「は、はは…原作キャラを操作してまで、俺を排除したいか…」
ザクザクと何度もナイフを刺してくるアリシアに、俺は抵抗する事が出来なかった。
単純にアリシアを傷付けたく無かったというのもあるが、もう嫌になってしまったのだ。
俺を殺した最大の敵は、俺を排除する世界だったのか、俺をここに転生させた神だったのか、はたまた転生を受け入れた俺自身だったのか。
少なくとも、操られてるアリシアでは無い事は確かだろう。
「ごめ、んな…アリシア…」
「…えっ、あれ…なん、で…」
薄れゆく意識の中最後に見えた景色は、静かに涙を流しながら呆然としていたアリシアの姿だった。
―――――
「ふむ、今回はまた随分と長くもったな」
「能力も良かったが、何より今まで選んだ人間達の中で最も戦うのが上手かったからのぅ」
「そうだな。早い奴は1発目で殺されていたからな」
「しかし、この暇潰しは中々楽しめるな」
「うむ、人間達も面白いものを考えたものじゃな。神による転生オリ主に、世界の修正力とはのぅ」
「まぁ流石に人間達が描くシナリオの様には行かないがな」
「それだと儂らがつまらんからの」
「さて、そろそろ次のオリ主を探しに行くか」
「ふぉっふぉっふぉ!人間達も愚かな。みなオリ主になれると喜んで転生しよる」
「主人公という存在にそう簡単になれる訳が無いとわからないのか…」
「何を言うのじゃ、だからこそ『オリ主』なのではないか」
「む、そうだったか」
「「はっはっは!!」」
―――まぁ、お前らもそのオリ主なんだがな。
「「…は?」」
「おk」
何故俺は、この時大人しく成仏する事を選ばなかったのだろうか。
何故俺は、自称・神がこうも軽々しく俺を転生させた事を怪しまなかったのだろうか。
何故俺は、「転生キタコレ!これで俺もオリ主!」なんて馬鹿げた事を考えていたのだろうか。
「くっそ!しつこい!」
10歳の子供に転生させられた瞬間から、俺は世界に命を狙われるようになった。
世界の修正力というものだろうか。俺はこの世界では異物なのだろうか。
ここが何の世界なのかは理解している。科学的な魔法が存在する世界―――リリカルなのはの世界だ。
現に、今俺は謎の魔導師に襲われているのだから。
「『防壁』!『縛り』!『吹き飛べ』!」
神から与えられたオマケ…言霊とでも言うべき力を使って今まで生き残って来たが、限界が近い。
徐々に俺を襲う危機のレベルが上がってきているのだ。今相手をしている魔導師も、山をふっ飛ばす様な魔法を使ってくる程だ。
どれだけの一般人が巻き込まれて死んだのだろう。やはり、俺のせいなのだろうか。
「『落ちろ』!『潰れろ』!さっさと『死ね』ぇ!!」
2時間以上にも渡る長い戦いの末、ようやく今回の敵を討ち滅ぼす事が出来た。
身体はもうガタガタ、魔力も少なく、散々言霊を叫んだお陰で喉も痛くてたまらない。
疲れた身体を休める為に、俺は唯一安らげる場所へと傷だらけのまま向かった。
辿り着いた場所はとある家。ここには俺の幼なじみであるアリシア・テスタロッサが住んでいる場所だ。
そう、唯一安らげる場所とは、近くに原作キャラがいる場所だ。
原作キャラならば恐らく殺しにかかっては来ないだろうし、戦いに巻き込まれるのを恐れて敵も送られない筈だからだ。
そう言えば最近母親のプレシアの研究が忙しいらしく、アリシアは寂しがっていたな。
そろそろヒュードラが作られるのだろうか。
「『修復』…よし。アリシアー!」
服や傷を修復して家の中に入る。
ちなみに服は簡単に直せるが、傷などに関しては表面上しか治すことは出来ない。
チート能力にも限界があるという事だろう。
「アリシア?」
ドアを開けて玄関に入ると、手を後ろで組んで顔を俯かせたアリシアが立っていた。
なんだ?どうしたんだ?
「おい、アリシ―――」
「…えへへ。えい」
たたたっと駆け寄ってきたアリシアが俺の胸の中に飛び込んできたので抱き止める。
―――しかし、飛び込んできたのはアリシアだけではなかった。
「な、に…」
「えへへ…えへへへへへへ…あははははははははははははは」
胸元には俺に突き刺さったナイフ。握っているのはアリシア。
後ろで組んでいたと思っていた手は、ナイフを握っていたのだ。
「は、はは…原作キャラを操作してまで、俺を排除したいか…」
ザクザクと何度もナイフを刺してくるアリシアに、俺は抵抗する事が出来なかった。
単純にアリシアを傷付けたく無かったというのもあるが、もう嫌になってしまったのだ。
俺を殺した最大の敵は、俺を排除する世界だったのか、俺をここに転生させた神だったのか、はたまた転生を受け入れた俺自身だったのか。
少なくとも、操られてるアリシアでは無い事は確かだろう。
「ごめ、んな…アリシア…」
「…えっ、あれ…なん、で…」
薄れゆく意識の中最後に見えた景色は、静かに涙を流しながら呆然としていたアリシアの姿だった。
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「ふむ、今回はまた随分と長くもったな」
「能力も良かったが、何より今まで選んだ人間達の中で最も戦うのが上手かったからのぅ」
「そうだな。早い奴は1発目で殺されていたからな」
「しかし、この暇潰しは中々楽しめるな」
「うむ、人間達も面白いものを考えたものじゃな。神による転生オリ主に、世界の修正力とはのぅ」
「まぁ流石に人間達が描くシナリオの様には行かないがな」
「それだと儂らがつまらんからの」
「さて、そろそろ次のオリ主を探しに行くか」
「ふぉっふぉっふぉ!人間達も愚かな。みなオリ主になれると喜んで転生しよる」
「主人公という存在にそう簡単になれる訳が無いとわからないのか…」
「何を言うのじゃ、だからこそ『オリ主』なのではないか」
「む、そうだったか」
「「はっはっは!!」」
―――まぁ、お前らもそのオリ主なんだがな。
「「…は?」」
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