とある非情な幻想殺し(とある魔術の禁書目録)
この物語はとある青年と大人達の戦いを記したものである。
彼は普通の青年だった。
何かと不幸な事に巻き込まれたり、どれだけ頑張っても無能力者だったりしたが、それでも日々頑張って生きていた。
唯一特別と言うべきものは、あらゆる幻想を破壊する右手だけ。
しかしそんなものなど大した事には使えず、少年は無能力の悩みや不幸などでストレスを溜め、徐々に歪んでいった。
「あぁー不幸だ…」
今日は炊飯中にコンセントが外れて生っぽくなった米を雑炊にする。
すっかりやさぐれてしまった彼は学校のサボり常習犯となっており、ひたすらストレス解消の為の活動をしていた。
そして今日も彼はストレス解消の為に、デパートの屋上へと向かう。
デパートの屋上と言えばヒーローショーだ。
ここのデパートの企画部は着ぐるみのヒーローショーにとてつもない情熱を見せており、その素晴らしい完成度からチビッコ達に大人気だ。
今日もヒーローに憧れる少年少女達はデパートの屋上に集まり、そしてヒーローの活躍に胸を踊らせた。
そしてヒーローが悪役をやっつけて決めポーズを取った時、舞台の裏で大声が響いた。
「来た!奴が来たぞー!!」
「なっ!?おのれ、また性懲りも無く…」
「防衛部隊!奴を舞台に近づけるなぁぁぁぁ!!」
突如始まった騒ぎに客席の大人達は困惑し、子供達は何が起こるのかとワクワクし始める。
そして…屋上のエレベーターから、ストレス解消に来た青年が現れた。
「これ以上子供達を悲しませる訳にはいかんのだ!!」
「はっ!俺はただ現実を教えてやってるだけだ!」
迫り来る防衛部隊を回避し、押し退け、青年は舞台へと駆ける。
そして青年は舞台へと上り、ヒーローと対峙した。
「くっ…今度こそ負けんぞ」
「あぁ、やってみやがれ!」
そして戦いが始まった。
ヒーローショーの様な大げさな戦いではなく、明らかにガチな戦いに子供達は燃え上がる。
青年は舞台に上るまでに体力を消耗してしまっていたらしく、現在はヒーローが優勢なようだ。
「今回は諦めるんだな!子供達の夢は壊させん!」
「うるせぇ!知ったことかぁ!!」
勝利を確信したヒーローは油断してしまった。
その一瞬の油断を突いて青年はヒーローの足を攻撃し、優勢劣勢があっさり入れ替わる。
「俺だけこんな不幸なんて我慢出来るかぁぁぁ!!」
殴る、殴る、殴る―――
ボコボコにされるヒーローに、子供達は悲鳴をあげる。
「お前達が子供達の夢を守ると言うのなら―――」
そして青年はヒーローの着ぐるみの背中にあるファスナーを開け、
「―――俺はその幻想をぶち殺す!!」
中からヒーロー等には見えない冴えないおっさんを引きずり出した。
沈黙に包まれるデパートの屋上。
大人達は唖然とした顔をしており、子供達は何が何だかわからない表情を浮かべている。
「どうだ!これが中身だ!ヒーローなんか実在しないんだよ!わかったか!」
そして子供達は夢と希望を打ち砕かれ、絶望した。
その様子を見て満足した青年は、
「あーすっきりした」
そう言い放ち、エレベーターに乗り帰宅するのだった。
「くそっ!くそっ!おのれ上条当麻…『幻想殺し』め!!」
『幻想殺し』上条当麻。
子供達の夢や希望を容赦無くぶち壊す事からつけられた彼の2つ名は、デパートの企画部にとって忌々しい名前だった。
そう。
この物語は『幻想殺し』上条当麻と、デパートの企画部職員達の、悲しみに満ちた戦いの日々を記したものである。
彼は普通の青年だった。
何かと不幸な事に巻き込まれたり、どれだけ頑張っても無能力者だったりしたが、それでも日々頑張って生きていた。
唯一特別と言うべきものは、あらゆる幻想を破壊する右手だけ。
しかしそんなものなど大した事には使えず、少年は無能力の悩みや不幸などでストレスを溜め、徐々に歪んでいった。
「あぁー不幸だ…」
今日は炊飯中にコンセントが外れて生っぽくなった米を雑炊にする。
すっかりやさぐれてしまった彼は学校のサボり常習犯となっており、ひたすらストレス解消の為の活動をしていた。
そして今日も彼はストレス解消の為に、デパートの屋上へと向かう。
デパートの屋上と言えばヒーローショーだ。
ここのデパートの企画部は着ぐるみのヒーローショーにとてつもない情熱を見せており、その素晴らしい完成度からチビッコ達に大人気だ。
今日もヒーローに憧れる少年少女達はデパートの屋上に集まり、そしてヒーローの活躍に胸を踊らせた。
そしてヒーローが悪役をやっつけて決めポーズを取った時、舞台の裏で大声が響いた。
「来た!奴が来たぞー!!」
「なっ!?おのれ、また性懲りも無く…」
「防衛部隊!奴を舞台に近づけるなぁぁぁぁ!!」
突如始まった騒ぎに客席の大人達は困惑し、子供達は何が起こるのかとワクワクし始める。
そして…屋上のエレベーターから、ストレス解消に来た青年が現れた。
「これ以上子供達を悲しませる訳にはいかんのだ!!」
「はっ!俺はただ現実を教えてやってるだけだ!」
迫り来る防衛部隊を回避し、押し退け、青年は舞台へと駆ける。
そして青年は舞台へと上り、ヒーローと対峙した。
「くっ…今度こそ負けんぞ」
「あぁ、やってみやがれ!」
そして戦いが始まった。
ヒーローショーの様な大げさな戦いではなく、明らかにガチな戦いに子供達は燃え上がる。
青年は舞台に上るまでに体力を消耗してしまっていたらしく、現在はヒーローが優勢なようだ。
「今回は諦めるんだな!子供達の夢は壊させん!」
「うるせぇ!知ったことかぁ!!」
勝利を確信したヒーローは油断してしまった。
その一瞬の油断を突いて青年はヒーローの足を攻撃し、優勢劣勢があっさり入れ替わる。
「俺だけこんな不幸なんて我慢出来るかぁぁぁ!!」
殴る、殴る、殴る―――
ボコボコにされるヒーローに、子供達は悲鳴をあげる。
「お前達が子供達の夢を守ると言うのなら―――」
そして青年はヒーローの着ぐるみの背中にあるファスナーを開け、
「―――俺はその幻想をぶち殺す!!」
中からヒーロー等には見えない冴えないおっさんを引きずり出した。
沈黙に包まれるデパートの屋上。
大人達は唖然とした顔をしており、子供達は何が何だかわからない表情を浮かべている。
「どうだ!これが中身だ!ヒーローなんか実在しないんだよ!わかったか!」
そして子供達は夢と希望を打ち砕かれ、絶望した。
その様子を見て満足した青年は、
「あーすっきりした」
そう言い放ち、エレベーターに乗り帰宅するのだった。
「くそっ!くそっ!おのれ上条当麻…『幻想殺し』め!!」
『幻想殺し』上条当麻。
子供達の夢や希望を容赦無くぶち壊す事からつけられた彼の2つ名は、デパートの企画部にとって忌々しい名前だった。
そう。
この物語は『幻想殺し』上条当麻と、デパートの企画部職員達の、悲しみに満ちた戦いの日々を記したものである。
コメント