消費者委:ノンアルコール飲料トクホに適さない…答申
毎日新聞 2014年08月05日 19時50分(最終更新 08月06日 00時23分)
内閣府消費者委員会は5日、サッポロビールと花王から特定保健用食品(トクホ)として申請があったノンアルコール飲料について、「認めることは適当ではない」との結論を出し、消費者庁に答申した。「ノンアルコール飲料は未成年者の飲酒の引き金となる懸念を払拭(ふっしょく)できず、トクホとしてふさわしくない」のが理由という。トクホの許可は同庁が最終判断する仕組みだが、答申を尊重するとみられる。
消費者委が「トクホとしてふさわしくない」と結論を出したのは今回を含め4例あり、ノンアルコール飲料では初の判断。過去には瓶に入ったカプセル状食品で「医薬品と混同する」ことを理由に判断した例がある。
消費者委によると、サッポロビールは「食物繊維の働きで、糖の吸収を穏やかにする」、花王は「茶カテキンを豊富に含み、脂肪を消費しやすくする」などとして、それぞれトクホ申請。成分の安全性や有効性に問題はなく、「ノンアルコール飲料はトクホとしてふさわしいか」という観点から消費者委で約1年前から議論を続けてきた。
今回の消費者委の判断に対し、両社は「コメントする立場にない」としている。【江口一】