台風18号の接近で、県内は15日から16日朝にかけて暴風雨に見舞われた。16日午後5時半現在、9人が重軽傷を負い、2人が行方不明になっている。突風による住宅の損壊もあり、河川の増水で県内各地の3万5千人以上に避難指示・勧告が出された。
県災害対策本部によると、四日市市では自転車に乗っていた男性(85)が風にあおられて転倒し、頭やひじにけがをした。また、男性(37)は風圧で勢いよく閉じたトラックのドアに頭や腰を強打した。2人は骨折の疑いがあるという。津市では木造家屋が全壊して、住民の男性(64)が右足に軽いけがをした。
志摩市では、突風による住宅の半壊・一部損壊の被害が41棟に及んだ。また、伊賀市では、河川の増水や側溝の水があふれ、住宅2棟が床上・床下浸水した。松阪市でも強風により店舗の外壁が一部損壊した。
停電も相次いだ。中部電力によると、10市3町で最大約19740戸(16日午後4時現在)が停電した。津市分部では、強風に吹き飛ばされたビニールハウスが骨組みごと電線に巻き付いて、その重みで電柱が根元から折れた。
河川増水のため、紀宝町と伊賀市は「避難勧告」よりも危険が切迫した状況で発せられる「避難指示」を計1154世帯、2633人に出した。避難勧告は津市や伊勢市などの約3万人に及んだ。
津地方気象台によると、台風の接近により雨が降り始めた14日午後9時から16日午後3時までの県内最大の総降水量は、大台町宮川で観測された580ミリで、同所での9月の月間総雨量の平均とほぼ同じ雨量だった。また、台風による最大瞬間風速は、16日午後3時までに伊賀市で33・4メートル、津市で30・3メートルを観測した。
■一昨年豪雨の紀宝、住民疲弊「心配で寝られない」
一昨年9月に台風12号の豪雨災害にあった紀宝町。大きな被害はなかったが、高岡地区では一昨年に氾濫(はんらん)した相野谷(おのだに)川から今回も水があふれ、冠水した県道が通行止めになった。
大里地区では15日午後10時、町が同地区の集会施設に避難所を開設した。台風18号の暴風域に入り、雨脚が強まった16日午前0時半ごろから住民が集まりだした。同午前2時半に避難指示が出ると、住民12人が集会所に集まった。
集会所で一夜を過ごした農業原章三さん(66)は、「やはり2年前のことがあって心配だった。雨音が激しくなり台風の進路が気になって、まともに寝ることができなかった」と疲れた様子で話した。
一方、豪雨災害では集落全体が孤立状態になった同町浅里地区。今回は被害はなかった。一昨年は自宅が水没して大規模半壊した同区長の聖谷定三さん(62)は「熊野川の水かさがどこまで上がるのか心配したが、何とか無事だったのでホッとしている」と胸をなで下ろしていた。
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