氷を積み込んでから、定置網へと出発
まだ陸も海も真っ暗な中、番屋の前に停泊している船に乗り移って出船すると、まずは市場で氷をたっぷりと船に積み込む。
氷見では定置網で獲れた魚を、生きたまますぐに氷水へと入れて絞めることで、その鮮度を保つのだそうだ。
真っ暗な時間に出発。
沖に行くのかと思ったら、魚を獲る前に市場へと到着。
まずは氷をたっぷりと積み込む。
港から船をしばらく走らせると、目的の定置網が見えてきた。この定置網が設置されているのは、水深20数メートル程の港からすぐ近くの場所である。
見えてきたといっても、上からではなく横から定置網を見ることになるので、どこがどうなっているのかは、素人にはさっぱりわからないのだが。
おそらく定置網の先っぽに到着。
定置網というのは、魚群探知機で魚を探して獲る漁とは違い、魚が通りそうな場所に網を設置しておき、一日一回(市場がやっている日)網を揚げに行くという漁である。定まった場所に置いておく網だから、定置網。
そのため季節によってメインで獲れる魚は違うし、日によってもなにがどれくらい獲れるのかは違ってくる。もちろん大きい魚も入れば、小さい魚も網へと入る。
定置網は泳いでくる魚が網の中に入りやすいようにできているが、同時に出るのも簡単な構造なので、実際に獲れるのは定置網に入り込んだ魚の3割程度といわれている。
通年を通してみると、富山湾の生態系ピラミットから、まんべんなく少しずつ魚をいただくというイメージだろうか。この場所を通る魚を、定点観測するような漁なのである。
一度に何度も網を上げることはできないから(魚が入るまで時間が掛かるので)、魚を獲りすぎるということができない。
関西では「ヨコワ」としてメジマグロがたくさん売られています。スーパーや居酒屋でよく見かけますので、かなりの流通量があると思います。混獲にしては多すぎるので専門の漁があるかもしれないですし、混獲だとしたら対策が必要なぐらいの漁獲量があると思います。