2014年08月05日

◆ 笹井さんを死なせたのは誰か?(STAP)

 笹井さんが亡くなった。では、誰が笹井さんを死なせたのか? その犯人は誰か? 

 ──

 
 これはいわば STAP殺人事件である。では、犯人は誰か? 名探偵の推理を示そう。

 1. なぜ死んだか?


 死んだ理由については、いくつかの憶測がある。

 (a)責任を取ったから

 「 STAP の問題で責任を取って死んだ」という見方もある。はてなブックマークでは、一時は最大の支持を集めた見解だが、「そんなひどいことを言うな」と言われて、本人が削除したようだ。ま、当り前。死んだところで、責任を取ることにはならない。また、死ぬほどの大犯罪をしたわけでもない。

 (b) 処分が遅いから

 「政府や理研が小保方さんへの処分をしないから、笹井さんが責任を感じて死んだ」という説がある。たとえば、これ。
  → 理研の笹井芳樹さん自殺と政治責任
 しかし、これも (a)と同様だ。笹井さんは別に責任を感じて死んだわけではない。仮に責任を感じたとしたら、「申し訳ないので死んでお詫びします」という形の遺書があることになるが、そんなことはありえない。すでに一部にこう報道されている。
 小保方氏に宛てた遺書には「あなたのせいではない」「STAP細胞を必ず再現してください」という趣旨のことも書かれていたという。
( → Yahoo!ニュース

 どう見ても、「責任を感じた」とは正反対の見解がある。( ※ どちらかと言えば、最後まで小保方さんに優しいという、心の優しさがわかる。)
 上記の見解では、「政府や理研が小保方さんへの処分をしないから」というが、これは、我田引水または手前ミソだろう。自分が前から「捏造した小保方さんを処分せよ」と主張していたから、その主張を補強するために、人の死を利用しようとしているだけだ。「自説の正しさを示すために、笹井さんが死んだことを利用する」なんて、ひどいものだ。こういう勝手な歪曲による解釈は、ほとんど捏造に近いのだが。

 (c)真相

 では、真相は? 遺書には、「疲れた」という言葉があったという。
 「疲れた」という趣旨や謝罪する内容が書かれていたという。
( → Yahoo!ニュース

 これは妥当だろう。一般に、自殺する人は、強い意思によって「自殺しよう」と思うわけではない。腹切りをするには強い意思だが、自殺する人はそういうつもりじゃない。
 では何かというと、生きる気力をなくしたから自殺をする。そして、生きる気力をなくすことの理由は、人それぞれだ。
 笹井さんの場合は? 生きる気力をなくした理由は何か? 逸れは一つしか考えられない。日本中から非難が浴びせられたことだ。これほどの非難が浴びせられたなら、自殺する方が当然だと言える。
 換言すれば、笹井さんを死に至らしめたのは、笹井さんを非難した日本中の人々である。いや、これは不正確だ。笹井さんを死に至らしめたのは、笹井さん・理研・小保方さんのすべてを「捏造だ」という名目で非難した人々である。彼らは、今回は笹井さんを死に至らしめたが、同時に、小保方さんに向かっても同じ攻撃をしている。だから、小保方さんがあとを追っても不思議ではないし、それはまた、日本中の人々がそうし向けているからなのだ。(実は、小保方さんはメンタルが強いから今のところ大丈夫だが、仮に小保方さんの立場にあれば、たいていの人が自殺するだろう。それほどにも世間の攻撃はひどい。)

 (d) 不正の有無

 では、今回の件で死ぬことになるのは、当然か?
 多くの人は「当然だ」とか「仕方ない」とか思うらしい。というのは、「罪を犯したのならば、何らかの形で罰されるのは当然だ」と思うからだ。
 しかし私は前から唱えているように、笹井さんも小保方さんも何ら罪を犯していない。彼らが犯したのは、ただの実験ミス(および実験ミスの看過)であるにすぎない。
 世の中の研究者のほぼ全員が実験ミスを繰り返したはずだ。「実験ミスなど一度もやったことがない」というのは、実験をやったことのない人だけだろう。実験ミスぐらいは誰もが当然にやることなのだ。そのくらいのことで、いちいち日本中から非難されるいわれはない。つまり、小保方さんも笹井さんも、完全に無罪である。この件は、下記で詳しく述べた通り。
  → STAP事件の主導者と主謀者
  → STAP細胞事件の真犯人

 (e) 犯意の有無

 今回の自殺によって、明らかになったことがある。それは、「笹井さんにはまったく罪の意識はない」ということだ。「自分がミスをした」と思ったことはあるだろうが、「自分が悪に手を染めた」と思ったことはない。そのことが判明したと言える。
 なぜか? 仮に「自分が悪に手を染めた」と思ったならば、決して自殺をしないはずだからだ。かわりに、シラを切るか、ごめんなさいと言うか、ヘラヘラと笑うだけだろう。
 高温超伝導の捏造事件では、本人はシラを切った。ES細胞の捏造事件では、本人が捏造を認めて謝罪した。iPS細胞の捏造事件では、本人が捏造をしたあとでヘラヘラ笑いをしてテレビ番組に出まくった。(お笑いタレント扱い。ギャラが目当て。)
 「自分が悪に手を染めた」と思ったなら、そのいずれかになる。いずれにしても、自殺はしない。なぜなら、捏造は実でやったことだと認めているし、捏造が自殺に値するとは思っていないからだ。
 比喩的に言えば、自分は「懲戒免職」ぐらいの罪だとわかっているから、罰金刑にも禁固刑にも懲役刑にもならないと判断する。当然、死刑にもならないと判断する。自分でやったことについて、自分できちんとできているわけだ。
 しかし、笹井さんは違う。自分では やったことのないことについて「やった」と批判されているのだ。これではどうにもならない。仮に「ごめんなさい」と謝るとしたら、何について謝るのか? やってもいない捏造を「やりました」と言えばいいのか? しかしそれこそ嘘つきであり、それこそが捏造である。「捏造しました」という捏造をする(嘘を言う)のでは、それこそ矛盾だろう。
 こうして笹井さんは、どうしようもなくなった。真実を語れば、日本中から攻撃される。虚偽を語れば、それこそ捏造をすることになる。どっちもダメだ。行く道をふさがれてしまった。比喩的に言えば、四方八方を日本人全体に取り囲まれて、身体ができなくなってしまったのだ。
 これが笹井さんの精神状態だ。かくて彼はどうにもならない絶望に陥った。前後左右に勧めなければ、下に下がるしかない。下とは? 地中のことか? いや、死のことだ。彼にはそれしか選択肢がなかったのだ。日本中の人々から責められたことで。
( ※ 仮に笹井さんが捏造に手を染めていたのであれば、iPSの捏造者のように、ヘラヘラ笑いながら生きていけただろう。しかし彼は捏造をしていなかったから、どうしようもなくなってしまったのだ。)

 2.直接のきっかけは?


 それでも笹井さんは、今日まではずっと生きていた。なのに今日になって急に死の道を選んだ。それは、なぜか?
 ここからは推定になるが、おそらく、次の三つが理由だ。
  ・ 分子生物学会
  ・ 学術会議
  ・ NHK

 この三者は最近になって急激に攻撃の手を強めた。
 @ 分子生物学会は異例の批判をした。( → 別項
 A 学術会議が処分を求める声明を出した。( → 毎日新聞別項
 B NHK が「不正だ」と批判する番組を出した。( → 別項
 このように、最近になって立て続けに、「不正だ」という攻撃が加わった。このことで、ひどく悲観してしまったのだろう。四面楚歌と感じたに違いない。
 
 私としては、ここでちょっと皮肉を言っておきたい。
 「関係者を処分せよ、と主張していた学術会議や分子生物学会は、『笹井さんが死んだことを歓迎する』という声明を出すべきだ」
 これは皮肉だが、論理的には当然だろう。たかが実験ミスぐらいのことについてなんだから、関係者だけで論文の訂正をすれば済んだ事柄にすぎない。そんな些細なことに、学術会議や分子生物学会が乗り出して、「不正だ」「処分せよ」なんて大上段に構えて大騒ぎしていたのだから、死を見たら、「よくやった。これで当然だ」と歓迎する声明を出すべきだ。彼らは笹井さんの死を望んでいた、とまでは言わないが、大きな処分を下すことを望んでいたのだ。ならば、予想よりも大きな処分が出たならば、歓迎するべきだろう。
 私としては、これは罰金刑にもならない事件だし、信号無視よりもはるかに軽い問題だと思うが、学術会議や分子生物学会はまるで殺人事件のように大々的な形で騒ぎ出した。ならば、殺人事件の犯人が死刑になるのと同様で、笹井さんが死んだことをも歓迎するべきだろう。彼ら自身が処分を望んでいたからだ。
 
 ま、以上は皮肉である。だが、本当を言えば、こうなる。
 「笹井さんを死に至らしめた直接の原因は、分子生物学会・学術会議・NHKにある」

 彼らが過剰に騒いだから、笹井さんは四面楚歌だと感じて、死に至ったのだ。このことを、関係者ははっきりと自覚してもらいたい。
 また、すでに述べたように、笹井さんは悪に手を染めてはいないのである。ただの実験ミスの看過があっただけであり、意図的な捏造に加担したことなどはないのだ。
 にもかかわらず、「不正だ、不正だ」と大騒ぎしたのが、上記の三者である。彼らはまさしく、笹井さんの死に直接的な責任がある。

 このことは大事なので、もう少し述べよう。
 科学者というものは、真偽を確認することが義務だ。真か偽かは調べるまではわからないから、きちんと調べた上で、真偽を決定する。
 ところが、分子生物学会や学術会議は違う。まず「不正があった」と天下り的に決めつけた上で、「不正を解明せよ」と要求する。また、「真か偽かを調べるために、小保方さんに再実験をさせる」ということを禁じる。
 ここでは、「真偽を確認する」という科学の手順は封じられ、「不正があるのだから不正を解明せよ」という一方向だけを要求する。
 比喩的に言えば、罪を犯していない人が冤罪で逮捕されたあとで、「罪を犯したか否か」についての究明を拒否され、「罪を犯したことの証拠だけを出して処分する」と言われるようなものだ。
 これはもう、科学ではない、宗教裁判みたいなものだ。一方的な出来レース。そういう不正(捏造または冤罪みたいなもの)を、分子生物学会や学術会議は要求する。
 NHK も同様だ。「真偽を究明する」という方針は捨てられ、「不正があった」という前提のもとで、「いかに不正があったか」という事実を解明しようとする。そこで、ろくに証拠が見つからないものだから、思わせぶりな断片を並べて、いかにも捏造があったかのように暗示する。(ひどいものだ。洗脳番組とも言える。タイトルからして、「不正の深層」だしね。あまりにも一方的。)
 こういう一方的な方針が新たに取られるようになった。こうなると、笹井さんとしては、絶望するだろう。それまでは「真実が解明されれば身の潔白は判明する」と思っていたはずだ。ところが、分子生物学会や学術会議や NHKは、真偽を解明するのではなく、「まず不正だと決めつける」という方針を取る。北朝鮮の独裁者みたいなものだ。道理は通らず、結論の押しつけだけがある。
 以上の話は、下記でも示した。
  → STAP:分子生物学会の不正
 で、こういう状況にあれば、笹井さんは絶望するしかあるまい。

( ※ ついでに言うと、百歩譲って、STAP細胞が小保方さんと笹井さんによる捏造だったとしても、それでも、日本中が大々的に騒ぐべきではない。こんなことは駐車違反よりも小さな問題にすぎないからだ。人が死んだわけでも怪我をしたわけでもない。逆に、笹井さんを死に至らしめたような攻撃こそ、慎むべきだろう。)

 3.批判者の悪意


 すぐ上では、分子生物学会・学術会議・NHK の責任を指摘した。だが、この三者だけが特に悪いのではない。日本中の大半の人々が、同じような意見を持っていただろうから、同じように責任があるだろう。彼らすべてに、笹井さん死の責任があると言える。日本人の大半が殺人のような責任があるわけだ。(死に至らしめた責任。自殺教唆または強要や脅迫みたいな感じだ。)

 それに対して、弁解もあるだろう。
 「僕たちは別に、笹井さんに死ねとは言っていない。理研は処分を下せとは言ったが、笹井さんに死ねとは言っていない。つまり、自分たちには悪意がない」
 なるほど、それは正しいかもしれない。しかし、今回に限っては、それは道理が通らない。
 なぜか? 笹井さんもまた悪意はなかったからだ。笹井さんは悪意がなかったのに、「悪意があった」というふうに批判された。だから「処分せよ」と批判された。
 あるいは、小保方さんも同様だ。彼女に悪意がないことは明らかだろうが、世間の人々は「悪意がある」と認定した。ありも品悪意を勝手に認定された。それというのも「結果的に虚偽の論文を書いたから」という理由だ。
 だったら、同じ論法が世間の人々にも適用される。「結果的に笹井さんを死なせたのだから」という理由で、笹井さんを死なせたことには悪意があったことになる。つまり、世間の人々の悪意が、笹井さんに死をもたらしたことになる。
 このことは、世間の人々にしてみれば、自分自身のことなら「悪意はない」と思うだろう。しかし、分子生物学会・学術会議・NHK の生命や番組を見るといい。そこにはいかにも悪意がたっぷりとある。笹井さんや小保方さんが捏造をしていたとすれば、彼らの主張は「正義の主張」に見えるだろうが、笹井さんや小保方さんが捏造をしていなかったとすれば、彼らの主張は「悪意ある攻撃」でしかない。
 そして、そう受け取ったからこそ、笹井さんは死の道を選んだのだ。
 同じことが続けば、小保方さんもそうなる可能性は高い。
 そして、そういうことを「正義だ」と思って実行している人々こそ、実は悪意がたっぷりとあるのである。何しろ、人を死に至らしめようとしているんだから。少なくとも「処分」などの形で攻撃しようとする意図はたっぷりあるのだから。

( ※ ここでは、「相手が無実だ」ということがポイントだが、もう一つ、「相手が無実かどうか検証しようとしないで、不正だと一方的に決めつける」ということもポイントだ。)

 4.意外な真相


 笹井さんの死の真犯人は誰か? この疑問に対して、これまで、次の名を上げた。
  ・ 分子生物学会 ,学術会議 ,NHK
  ・ 世間の人々 (捏造論者)

 では、この人たちが真犯人なのか? この人たちが笹井さんに、直接または間接的に死をもたらしたのか? 

 「そうだ」と言いたいところだが、それでは平凡すぎる。こんなに簡単だと、名探偵の出番がない。名探偵は、最後に意外な真相を明かす。
 彼いわく:

      *   *   *   *


 笹井さんの死の真犯人は誰か? 皆さんは、ああだ、こうだ、と迷っているようですね。
 多くの人々は、「これは自殺だ。犯人は笹井さん自身だ」と思っているようですね。
 どこかのブログ管理人は、「分子生物学会 ,学術会議 ,NHK だ」とか、「世間の捏造論者だ」と思っているようですね。
 しかし、違います。それらのいずれも真犯人ではありません。なぜなら、それらのいずれも、人を死なせるだけの力はないからです。
 どれほどつらい状況があったとしても、それだけでは人は死にません。「つらい、苦しい」と思うことがあっても、それだけでは死にません。特に、笹井さんのように脳が発達した人では、それまでに厳しい鍛練を積んでいるので、ちょっとやそっとのことでは死にません。「つらい、つらい」と思うことはあっても、「死んでしまおう」と思うことはありません。
 ではなぜ、彼は死んだか? そのことのヒントは、次の記事にあります。
 理化学研究所の同僚によると、自殺した笹井芳樹氏は、STAP細胞の論文問題発覚後から心療内科を受診していた。最近は薬の副作用ではっきりと会話することが難しかったという。
( → MSN産経ニュース

 薬の副作用。ここに注目してください。
 では、薬の副作用とは何か? 上記では会話の困難が示されていますが、それだけではありません。次の事実があります。
 「抗うつ剤は、SSRI という薬が使われるのが普通だが、この薬を処方されると、自殺することがしばしば発生する」

 これは広く知られた事実なので、ググれば情報はたくさん見つかります。
  → Google 検索
  → 抗うつ剤 自殺 - Google 検索
 たとえば、次のような記事が見つかります。
 Aさん(20代女性札幌市)は、四年前、近所のメンタルクリニックでうつ病と診断され、SSRIが処方された。最初は一日2錠、改善が見られず6週間後から3錠に増えた。
 するとこれまで経験したことのないイライラした感情が生まれ、それが爆発するようになった。
Aさんは突然奇声をあげる、部屋の壁を蹴るなどの行動がエスカレートし、母親は ?恐怖を感じるようにすらなった。3ヶ月たっても症状は改善せず、主治医は薬を3錠から4錠にふやした。その2週間後、Aさんは包丁を持ってコンビニに押し入り、店員をおど ?して20万円を奪い逃走、強盗容疑で逮捕された。
本人の感覚では、制御不能、コントロールが効かない感じ。
 動機があやふやだったことから裁判所の指示で医療鑑定を受けさせられ、SSRIによる心神耗弱だったとして執行猶予付きの刑が言い渡された。
( → 抗うつ剤の怖ろしい副作用(自殺・攻撃性・衝動
 なぜ、自殺は減らないのだろうか。これまで自殺が多発する理由は「不景気」「ストレス社会」などにあるといわれた。しかし、ここには見落とされている観点がある。同じく98年頃から抗うつ薬の売り上げが急伸しているという事実だ。実際、98年に173億円だった抗うつ薬の売り上げは翌年以降増え続け、06年には875億円に達している。
 同時期にうつ病患者も急増した。厚生労働省の調査ではうつ病が大半を占める気分障害患者数は1999年に44万1000人だったが02年には71万1000人、2005年に92万4000人に達し、08年には100万人を突破した。
 98年頃を境に自殺者数、抗うつ薬の売り上げ、うつ病患者数が増加する。これは何を意味するのだろうか。
 調査では、1016人中、自宅マンションから飛び降り自殺した人は72名。その全員が精神科の診療を受け、抗うつ薬などを1日3回、5〜7錠服用する薬漬けの状態だったことも判明した。ここからは、飛び降りという衝動的な行為を処方薬が引き起こした可能性さえ疑われる。
( → 1998年以降抗うつ薬の売り上げ増加と自殺者激増が一致

 統計データもある。
  → 抗うつ薬の売り上げと自殺者激増が一致! (グラフあり)

 これでわかるでしょう。「つらい、つらい」と言っている間には、気力がなくなっているので、何をするのも億劫です。しかし、SSRI を処方されると、気力が生じます。それまでは自殺する気力などはなかった患者が、つらさの中で「耐えきれないから自殺してしまえ」という激しい気力を持つようになります。つらさの根源そのものを解消しないまま、自殺する気力だけを与えます。
 これこそが、笹井さんに死をもたらしたものです。つまり、笹井さんを死なせた真犯人は、SSRI です。もし笹井さんがこの心療内科を受診しなければ、あるいは、SSRI を処方されなければ、彼は今もきっと生きていたはずなのです。

      *   *   *   *


 《 注記 》
( ※ SSRI の副作用については、人々はもっと留意するべきだ。なのに、現状を放置するから、SSRI のせいで自殺者は大幅に増えたままだし、その一方で、製薬会社はボロ儲けすることになる。アメリカでは製薬会社が SSRI でボロ儲けしている、というのは、知られた話だ。)

( ※ なお、SSRI が直接の引き金だったとしても、笹井さんや小保方さんの処分を求めた人たちの責任は免除されない。彼らには明らかに攻撃する悪意があった。それも、真偽を確認しない段階で。……また、そもそもの話、笹井さんが SSRI を服用することのきっかけを作ったのは、この人たちである。この人たちが攻撃しなければ、笹井さんは SSRI を服用することはなかったのだ。)



 【 関連サイト 】
 SSRI による自殺や殺人についてもっと詳しい情報を知りたければ、Wikipedia を見るのが手っ取り早い。多様な実例が記してある。
  → Wikipedia
 一部抜粋すると、下記。
 2006年の最新のデータ解析で「プラシーボと比べて、SSRIは24歳までのうつ病患者の自殺志向や自殺行動のリスクを2倍に高める」と結論を下したと述べている。24歳以上も同じだと思われるが、このデータ解析からはまだ結論が出ていない。




 [ 余談 ]

 佐世保の女子高生殺害人事件でも、ひょっとしたら、SSRI が影響しているかもしれない。SSRI は、自殺だけでなく、他者への殺害も引き起こすからだ。
 SSRI。……殺人、強盗、自殺など危険な副作用が多発していることが分かった。
( → My ニュース・ジャパン

 なお、加害者本人は、精神科医を受診していた。また、精神科への入院を父親が提案したが、病院の医師が入院を拒否した。
 父親は入院を提案したが、医師が「難しい」と応じ、児童相談所に相談することにした。両親は病院からの帰途、車内から 児童相談所に電話をかけたが、当直の守衛が対応、「月曜日(28日)に電話してくれ」と言われた
( → 朝日新聞 2014-08-05

 ただし、精神科医が入院を提案した、という報道もある。これは別の精神科医か。
  → 精神科医、父親に少女の入院勧める 佐世保事件



 【 関連項目 】

 STAP細胞事件についての真相は、別項で記しました。

  → 《 STAP細胞のご案内 》

 次の項目もあります。
  → STAP/東大の捏造
 同じような捏造騒動でも、STAPには大騒ぎするくせに、東大の方にはちっとも騒がない。ひどい二重基準。その理由は……という話。
( ※ 東大の捏造責任者は、ちっとも責められないから、自殺しないで済む。人々は名前さえも覚えていない。若い女性でないと、得ですね。)

 
posted by 管理人 at 20:49 | Comment(18) | 科学トピック2 このエントリーをはてなブックマークに追加
この記事へのコメント
薬の副作用説、同感です。
薬によっては、強い殺人衝動も出るとか。(池田小学校事件など)
Posted by 覚蓮坊 at 2014年08月05日 21:09
笹井さんは医師だったのだし、そういう知識はあったと思う。
NHKの番組がいちばん厳しかったんじゃないかなあ。
彼は真面目な人だったそうだから、不正と言われるとつらかったんだと思います。
Posted by Mac at 2014年08月05日 21:53
 「笹井さんを死に至らしめた直接の原因は、分子生物学会・学術会議・NHKにある」
とありますが、
 「笹井さんを死に至らしめた直接の原因は、分子生物学会・学術会議・NHK・毎日新聞にある」だと思いました。まさに四面楚歌。

Posted by Putra at 2014年08月05日 21:57
(e) 犯意の有無
仮に「ごめんなさい」と謝るとしたら、何について謝るのか? やってもいない捏造を「やりました」と言えばいいのか? しかしそれこそ嘘つきであり、それこそが捏造である。「捏造はしていません」という捏造をする(嘘を言う)のでは、それこそ矛盾だろう。

とありますが、文脈からすると。
、、、「捏造しました」という捏造をする(嘘を言う)のでは、それこそ矛盾だろう。
と解釈しましたが、私の誤読でしょうか?

Posted by Putra at 2014年08月05日 22:08
> by Putra
> 、、、「捏造しました」

 ご指摘の通りです。ありがとうございます。書き直しておきます。
Posted by 管理人 at 2014年08月05日 22:13
「あなたのせいではない」「STAP細胞を必ず再現してください」

うっかり人間の自分自身に腹がっ立ったから、発生元に真逆の遺書を残して死んだんだ。
Posted by 閻魔大王 at 2014年08月05日 22:13
うつ病の回復過程で、少し気力が回復した時が一番自殺のリスクが高い、これはよく知られた事実です。
しかし、それをもって「(SSRIなどの)抗うつ剤の副作用が悪い」という論調には強い違和感を覚えます。

うつが酷い時の自覚症状を的確に表現するのはおそらく不可能ですが「つらい、苦しい」という一般的な感覚からは想像もできないものだということは確実に言えます。絶望感にすべてを支配され、懐かしい過去も、好転するかもしれない未来を思う余裕もなく、一秒一秒を自責と自死の衝動で鞭打たれ続け、それがいつ果てるともなく続く、そんな状態です。到底耐えられるものではない、そんな状態を少しでも緩和してくれる(かもしれない)のが抗うつ剤です。

「つらさの根源そのものを解消しないまま」という記述もありますが、そんな方法はないのです。仮に表面的な原因が解消されたとしても、既に疲れ切ってしまった心がすぐに回復するわけではありませんから、投薬と休養を組み合わせて少しずつ回復していくしかない。要するにうつ病の回復は波を持ちつつ時間をかけて行われるもので、抗うつ剤を使おうが使うまいが「少し気力が回復して自殺リスクが高い時期」を避けて通る道はないのです。

ですから、もっとも重要なのはその時期に「孤独にさせない」「思いつめさせない」といったケアであって、それが欠けていたから自殺に至ってしまった、と解するべきだと思います。原因を抗うつ剤に求めてしまうと、では絶望の底で苦しんでいる患者をそのままにしておくのがいいのか、ということになってしまうのではないでしょうか。

ちなみに、98年から自殺者が急増したのは、バブル崩壊が家計に本格的に波及し、経済的に追いつめられた人が急増したため、というのが専門家の間では常識となっています。経済的困窮→うつ病の増加(抗うつ剤処方の増加)→耐えられずに自殺、というのが順序であって、抗うつ剤処方の増加が自殺増加を招いたというのは誤った理解だと考えます。
Posted by 深海誠 at 2014年08月05日 22:17
> 絶望感にすべてを支配され、懐かしい過去も、好転するかもしれない未来を思う余裕もなく、一秒一秒を自責と自死の衝動で鞭打たれ続け、それがいつ果てるともなく続く、そんな状態です。

 笹井さんはそういう種類の鬱病とは違うと思うけど。一時的な心身症の一種であり、海外のリゾート施設で休んでいれば治る程度の問題だと思う。

> 98年から自殺者が急増したのは、バブル崩壊が家計に本格的に波及し

 それはちょっと苦しい説明。下記の二つを参照。
 → http://saigaijyouhou.com/blog-entry-341.html
 → http://nensyu-labo.com/fireworks/heikin_suii24.gif
Posted by 管理人 at 2014年08月05日 22:39
これはイジメや炎上と同じ構図です。
ひとを絶望に追い込む陰湿な攻撃です。でも大半の日本人はそれに気づきません。かなしい事実です。
Posted by 京都の人 at 2014年08月05日 23:01
> 笹井さんは医師だったのだし、そういう知識はあったと思う。

 通常の副作用は、本人にとっては困ったことであり、ない方がいいのですが、自殺に限ってはそうではなくて、本人にとっては望んでいることであり、成功した方がいいのです。
 今回の件で笹井さん自身は「これで楽になった」と喜んでいるでしょう。「うるさい無理解な阿呆たちから罵詈雑言を浴びずに済む」と。
 知識がなかったから自殺した、というのとは正反対です。

 ただ、私が医者だったら、SSRI のかわりに、漢方医を紹介したと思う。あとは休暇の取得。
Posted by 管理人 at 2014年08月05日 23:13
どうも出典が怪しすぎますねぇ。前の記事は週刊ポストだし、今度は「真実を探すブログ」ですか。管理人さんらしくない。

98年より家計部門が大きな打撃を受けた(大和総研調査季報)
http://www.dir.co.jp/research/report/japan/mlothers/20130603_007218.pdf

自殺に至る経路〜経済的事情・健康事情等から始まりうつ病に至る複合的連鎖〜
(自殺実態白書2013)
http://www.lifelink.or.jp/hp/whitepaper.html

薬だから副作用はないとは言えない。しかし、当然ながら効用との比較衡量で判断されるべきで、その観点を欠いたまま副作用事例だけ取り上げて悪玉扱いするのは明らかにおかしいし、ましてうつ病や自殺に至る経路を考えずに「抗うつ剤→自殺」と短絡するのはあまりにも薄っぺらな議論だというしかありません。
Posted by 深海誠 at 2014年08月05日 23:14
> 大和総研調査季報

それ、見ましたけど、タイトル詐欺みたいなものです。先に結論があって、それに合わせて数値を曲解している。
グラフを素直に見ればわかるように、「98年から鈍化している」だけであって、「階段状に急激に悪化した」のではありません。微分値(増加量)だけならば大幅な変動があったと見てもいいが、全体額ではなだらかな変化しかありません。仮にこの程度の変動が大きく影響しているのであれば、98年以降、自殺者は年々急増しているはずです。しかし、そのような傾向は見られません。自殺者のグラフと所得のグラフは、完全に別々です。

> その観点を欠いたまま副作用事例だけ取り上げて悪玉扱いする

 いやいや。今回は重度な鬱病についての抗うつ剤の投与の是非ではありません。一時的な外的要因による心身症に限っての話題です。この問題は少なくとも、外的要因がなくなれば、治るはずです。つまり、世間が非難をやめて、冷静になれば、自動的に解決する問題です。
 SSRI と一般論については、最後の 《 注記 》 で、「SSRI の副作用については、人々はもっと留意するべきだ。なのに、現状を放置するから、SSRI のせいで自殺者は大幅に増えたままだし、」と述べただけ。この箇所だけです。話の本論とは関係ありません。この件は、あくまでついでです。
Posted by 管理人 at 2014年08月05日 23:28

ついでならついでとそれらしく書いていただければいいのに「意外な真相」なんて主役扱いするからこちらもマジで書かざるを得なくなる(^^; 今回の集団リンチのような社会心理が真の原因だ、というのはもちろん同意します。

ただ、「軽く」でも抗うつ剤について書くのは十分慎重にされたほうがいいですよ。それで何とか日々をしのいでいる人は実際多いんだし、トータルでみて命を縮めるという医学的な因果関係なんて見いだされてないですから(いうまでもなく、抗うつ剤処方増加→自殺増加は、原因からうつ病を経て死に至る最終段階の相関関係を示しているだけで、因果関係とはまったく別物です)。
特に日本は「精神科の薬」というだけで「飲まない方がいい」という先入観が根強く、患者さんはそれにも苦しめられてますので注意が必要です。

あと、これは管理人さん一流の冗談でしょうが

>自殺に限ってはそうではなくて、本人にとっては望んでいることであり、成功した方がいいのです。
>今回の件で笹井さん自身は「これで楽になった」と喜んでいるでしょう。

自ら望み確信してする自殺は、小説の中だけだと考えた方がいいです。
自殺は、すべて「追い込まれて」してしまうと考えるのが最も実態に近い。前記の実態白書を参照してください。

今日はこのへんで(^^;
Posted by 深海誠 at 2014年08月05日 23:53
ミスだとしても、許される限度を超えていたということ。

捏造と言われてもやむを得ないほどに。

自殺の責任を他者に転嫁するのは、本人も望んではいまい。

理研関係者への遺書の内容は明らかにはされないはず。


以上、管理人殿とは相いれない個人的感想です。
Posted by たろう at 2014年08月06日 01:24
再現実験も大きな原因でしょうねえ。
再現するわけがない再現実験なわけですから。いってみれば凌遅刑に処せられているようなものです。内情を知っている人間としては耐えがたいストレスだったと思いますよ。
分子生物学の世界なんていってみれば千に三つのような世界ですから、とりあえずドカンと打ち上げ花火程度のつもりがあれよあれよと自分の手から離れていってしまったのだろうなあ、と。
Posted by とおりがかり at 2014年08月06日 02:11
本人に決まってるでしょう
自殺なんだから

おちゃらけてる場合か?
Posted by (`Δ´) at 2014年08月06日 02:25
> 本人に決まってるでしょう

 他殺事件の犯人じゃなくて、自殺に追い込んだ犯人は誰か、ということです。
Posted by 管理人 at 2014年08月06日 04:29
> ついでならついでとそれらしく書いていただければいいのに「意外な真相」なんて主役扱いするから

 いや、4. が「ついで」なのではありません。これは主役級です。
 「ついで」なのは、《 注記 》 の方です。つまり「SSRI と鬱病」という一般論。「SSRI と今回の事件」は「ついで」ではありません。

> 医学的な因果関係なんて見いだされてない

 それはそうですけど、統計的には見出されています。これは私の独自見解ではありません。Wikipedia を読んでからにしてください。
 一般に、医学関係については、私の独自見解というのはほとんどありません。定説またはそれに準じたものだけを書いています。出典も明示しています。私はそれらを紹介しているだけです。今回もそう。リンク先の話を紹介するという形であり、SSRI についての独自見解はありません。また、執筆に当たって、精神科医の見解も聞きましたが、定説はない旨の趣旨を受け取っています。
 そこで私としては、統計的な話をネットから探して書いているだけです。私だけの独自の見解はありません。

 ※ 私が独自の見解を出すのは、「定説がない分野」に限られます。医学に関しては、豚インフルエンザについて、発生当初に公衆衛生の観点から書いたことぐらいです。

> 自ら望み確信してする自殺

 そうじゃなくて、「現実からの逃避」でしょう。
 私が言っているのは「積極的に選ぶ」ではなくて「消極的に選ぶ」です。「追い込まれて」してしまう、というのは、その通り。ただ、元の話の「無知ゆえになした」というのとは違う、という趣旨です。
Posted by 管理人 at 2014年08月06日 04:32
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