カウラ=郷富佐子
2014年8月5日18時52分
太平洋戦争中の1944年8月、オーストラリア東部ニューサウスウェールズ州カウラにあった捕虜収容所で、日本兵捕虜約1100人が集団脱走を図って失敗した「カウラ事件」から70年となった5日、現地で記念行事が行われた。
5日午前2時(日本時間同1時)。シドニーの西約320キロにあるカウラ捕虜収容所跡地で、真冬の夜空に閃光(せんこう)弾が打ち上げられた。気温0度の暗闇のなか、「ちょうど70年前のこの時間、日本人捕虜たちが叫び声を響かせて脱走を始めました」と説明が流れると、集まったカウラ市民らが黙禱(もくとう)する姿がみられた。
事件当日、捕虜たちは突撃ラッパを響かせながら、手製のバットやナイフを手に脱走を試みたとされる。脱走兵のうち230人以上が射殺されたり自決したりして亡くなったほか、料理用のナイフで刺されるなどして豪州人兵士4人も死亡した。捕虜になることを恥とし、集団脱走で死を望んだ日本人の行動に、豪州の政府や国民は衝撃を受けた。
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朝日新聞国際報道部
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